嫌いなところ(赤×緑) ページ1
「ただいまー。」
「おかえり。」
リビングへ向かえば神ちゃんは録画してたドラマを観ていた。
珍しくメンバーが出てるわけでもないそのドラマは男性同士の恋愛を題材にしていて、やはり少し意識してる部分はあるんやろう。
それでも、不安なのかと訊ねたら、「ファンの子達の需要がわかるかもしれんやん。」と、なんとも仕事人間な返答が返ってきたわけだが。
俺はあまり興味もないし、雑誌を片手にソファーに腰かける。すると、隣に座っていた神ちゃんが口を開いた。
「シゲ、俺の嫌いなとこ10コ言える？」
「は？」
ドラマの影響なんやろうけど、なんて事を言い出すんやこの子は。
ほんまに単純というかなんというか、感化されやすいんやから。
「言えへんの？」
真っ直ぐ俺の事を見つめてくる瞳。
怒っているような口調だが、その目には悲しみの色が含まれていて、そんな目で見つめられたら気まぐれに付き合ってやるしかなくなるやん。
「怒らへん？」
「んー。。。おん。」
「今一瞬迷ったやん！」
「もう！ええから言うて！」
クッションを抱えながら凄んでくる。
まったく、しゃーないなぁ。
「えっとー、ようわからんタイミングで切れる。
怒っとるとき口悪い。
昼寝の邪魔したらガチギレする。
俺とおるのにゲームばっかする。
たまに子供っぽい。」
指を折りながら考える。
これなかなか難しいぞ。
隣からの無言の圧力も怖いし。
かといって適当に答えれば余計にへそを曲げるんやろう。
「思ってること言わんと抱え込む。
俺が弱いこと知ってて上目遣いでワガママ言う。
本気で困ってるときは俺の事頼ってくれへん。
皆から愛され過ぎ。」
チラリと隣を見ればジトッと睨まれる。
いやいや、言い出しっぺ君やからね？！
「。。。あと一個」
「えー、かわいすぎる？」
「それ以外！！」
機嫌なおるかと思ったら余計怒らせてもうたみたい。
でもなぁ、嫌いなとこって言われてもなぁ。
「んー。。。仲良くなった人に甘えすぎ。」
とりあえずなんとか10個絞り出したけど、神山さんめっちゃへこんでますやん。
「そないへこむなや。」
「別に、へこんでないし。」
もう一回言うけど、言い出したの君だからね？！
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作者名：さゆ | 作成日時：2018年8月7日 1時
