8話 看護師の話 ページ8
「ねえ、さっき美輝さんの病室に行ってきたんだけどさ、弟さんと仲良く一緒に寝てたのよね〜」
「…え！？2人で？？」
1人の看護師の言葉にその場にいる全員が勢いよく振り向いた。彼女たちは、普段の疲れの癒しを2人の姉弟で補給していた。
最近美輝が元気になってきた事でより一層、彼女たちは盛り上がりを見せているのである。そう、彼女たちは疲れている。
「何かもう、2人がいるだけで幸せだよ…」
「尊いとはこの事か！」
「弟さん今日は凄い疲れてるみたいだったから、たまには甘えたかったんじゃない？」
「多分、弟さん目元腫れてたから泣いたんじゃないかな 」
定期的に見舞いに来ているリンドウは礼儀正しく、弱音を吐くような性格に見えないため看護師たちは常にあの姉弟を心配していた。
リンドウだけでなく美輝も不安を漏らす事がほとんど無いため、血の繋がりが垣間見える。
病室に1人で居ても彼女たち看護師を気遣って休ませてくれるような患者は余りいない。だからこそ、あの2人には幸せになって欲しいと願うのである。
「そう言えば、美輝さんの担当医がそろそろリハビリを始めてみても良いかもって言ってたわね。思っていたよりも回復が早いんだって」
「そうなの？じゃあ歩けるようになれば、弟さんと一緒にどこかに出かけたりするのかしら」
「どうだろう。弟さん心配性みたいだし、あんまり無理はさせたくないんじゃないかな」
「それもそっか……」
話をしながらも手は決して止めない彼女たち。元気になるのは良いことなのだが、癒しが無くなると思うと寂しい気持ちもある。
下手をすれば、美輝の状態が急に悪くなることだってあるためまだ安心はできないのである。それでも自身の回復を嬉々として笑っている彼女を見るとそんな心配は必要ないかもしれないと思う。
あの2人が互いを「たった1人の家族」と言って大切にしているのを知っている彼女たちは、美輝の回復を心から願っていた。
思いもよらぬ危険な状態を耐え抜いたあの2人に、これ以上の不安と不幸を与えるものか。どちらか片方がいることで心の安定を保っている2人は、まるで双子のようだ。
顔立ちは性別も違えば大分違ってくるもので、あまり似ていない印象を受けたが、いざ関わってみると根本的な性格はかなり似ているように思う。
「美輝さんだけでも、無理をしないようにしっかり見ていないとね！」
「急にどうしたの？」
「自分の役目を再確認してるだけ」
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月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» いつもありがとうございます。朝桐さんもお気をつけて！ (2022年12月24日 11時) (
レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 続編楽しみにしてます！年末年始、今年は特に寒いのでお体にお気をつけて！ (2022年12月23日 22時) (レス) @page50 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» 秋山さんのストーリーも楽しんで貰えて何よりです。次回の更新、楽しみにしていてくださると嬉しいです( *´꒳`*) (2022年10月19日 23時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - あ、秋山さーん？！？！？！ (2022年10月19日 23時) (レス) @page45 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - アルジュマさん» コメントありがとうございます。そう言ってくださると嬉しいです(*^^*)キャストネームの方もありがとうございます。意味とかも調べながら検討したいと思います！ (2022年8月21日 22時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月詠乃朱 | 作成日時：2021年7月31日 14時
