40話 ページ41
鷹見さんと他愛ない話をしながら掃除を再開する。もともとの作りが脆いからなのか、所々欠けたタイルに足を引っ掛けて転びそうになる。
「ここのお店って、見えるところだけお金をかけて後は低予算で設計されてますよね」
「そうみたいだね。でも、普通にレッスンができればそれでいいって言う人が多いから、気にしない人のほうが多いよ」
鷹見さんにちりとりを持ってもらい、集めたホコリをためていく。
「確かに、怪我さえしなければ多少ボロくても問題はないですね。地震のときは少し心配になりますけど」
「日本の建物は海外のとくらべて耐震性が高いから、そのへんは心配いらないと思うよ」
「……それもそうですね」
鷹見さんがゴミ箱にちりとりを傾けると、中からザーッとゴミが流れていく。鷹見さんにお礼を言って、次は水拭きに入る。
私がほうきとちりとりを片付けに言っている間に、鷹見さんには水くみに行ってもらった。
「思っていたより、掃除は行き届いているんですね」
「カスミが時間があるときにこまめにやってくれているからね。でも、食べかすとか結構落ちていたから、定期的に掃除はしたほうがいいよ」
「分かりました」
モップに水をつけ、いざ拭こうとしたときに開いているはずの事務室の扉が、コンコンコンとノックされた。
後ろを振り返ると、私服姿のケイさんの姿があった。
「朝早くから掃除とは精が出るな。少し時間を貰ってもいいだろうか？」
鷹見さんに、ではなく私にだろうか。ケイさんの視線の先は間違いなく私だ。
「はい、大丈夫です」
持っていたモップを鷹見さんに預けて、ケイさんのもとに駆け寄る。
「昨日からの出勤だったな。羽瀬山から、レストランスタッフの仕事をすることがあるという説明は受けたか？」
「はい、受けました。人手が足りないときのヘルプで出るって話ですよね」
「そうだ。そのため、半分キャストと同じ扱いを受けることがあるだろうから、キャストと同じように名前をつけておこうと思ってな
俺が勝手に決めてしまうことになるが、いいだろうか？」
「大丈夫ですよ。さっき鷹見さんとその話をしていたんです」
「そうだったのか。余計な心配をかけてしまったな。名前は『翡翠』でどうだろうか？」
「翡翠……素敵な名前ですね。ありがとうございます！」
私がそう言うと、優しい笑みをケイさんは浮かべた。これからやることがあるらしいので、私は鷹見さんのもとに戻って掃除を再開した。
＿＿＿＿＿
長い間更新を止めてしまい申し訳ないです(・・;)
翡翠の石言葉「繁栄」「長寿」「幸福」「安定」
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月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» いつもありがとうございます。朝桐さんもお気をつけて！ (2022年12月24日 11時) (
レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 続編楽しみにしてます！年末年始、今年は特に寒いのでお体にお気をつけて！ (2022年12月23日 22時) (レス) @page50 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» 秋山さんのストーリーも楽しんで貰えて何よりです。次回の更新、楽しみにしていてくださると嬉しいです( *´꒳`*) (2022年10月19日 23時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - あ、秋山さーん？！？！？！ (2022年10月19日 23時) (レス) @page45 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - アルジュマさん» コメントありがとうございます。そう言ってくださると嬉しいです(*^^*)キャストネームの方もありがとうございます。意味とかも調べながら検討したいと思います！ (2022年8月21日 22時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月詠乃朱 | 作成日時：2021年7月31日 14時
