29話 ページ29
スターレスに一通の手紙が届いた。ファンレターでもないそれに、運営は困っていた。スターレスでもキャストにファンレターが渡せるが、中には攻撃的なものも入っていることがある。
キャストを傷つけないためにも、運営が一つ一つ中身を確認してそういったものは除外しているが、これはそれに当てはまらないのだ。
「うーん、直接渡しちゃう方がいいのかも......」
運営はひとりそう呟くと、部屋の扉が開き緑色の髪を揺らして隈の酷い顔をした男性が静かに入ってきた。相変わらず顔色がひどい彼は今にも倒れてしまいそうだ。
「あ、ヒースさん丁度いいところに！ヒースさん宛に手紙が届いてますよ」
「手紙？ファンレターとかじゃなくて？」
「はい。個人的なお手紙みたいですけど」
ヒースは手紙を受け取ると裏返し、送り主を確認する。女性が書いたと思われるきれいな字で、「秋山ましろ」と書かれていた。
ヒースは目を見開き、躊躇いもなく封を開け中の手紙を取り出した。中にはこう書いてあった。
【急なお手紙で驚かせてしまうことになり申し訳ありません。私はましろさんの入院先で看護実習を受けていたものです。
先日、秋山ましろさんがお亡くなりになりました。ヒースさんの所在が分からず、ご連絡が遅れてしまいましたことお詫び申し上げます。
ましろさんよりヒースさん宛てのお手紙を預かりましたので、この手紙と同封してお送りさせていただきます。
また、小さなメモ用紙にましろさんのお墓の場所を簡易的にですが書かせていただきました。ぜひ、一度だけでも足を運んでいただければ喜ぶと思います
元看護学生 秋山ましろ】
ヒースはそれに一通り目を通すと、秋山ましろと同姓同名の実習生がいたと聞いたことがあったなと思い出す。
封筒の中にそのまま入っていたもう一つの封筒を取り出した。これには、ヒースも少し躊躇いを見せた。それでも、自分が読まなければならないことは分かっている。
少し震えを伴う手で、手紙に目を通した。中にはこう書かれていた。
【名前も知らないあなたに手紙を書くのは不思議な気分ね。多分、この手紙があなたに届くころには私はこの世を去っていると思う。
病院を抜け出して、たまたま知り合ったあなたがお見舞いに来てくれてすごく嬉しかった。
色々、あなたに当たってしまったこともあったけどそれでも会いに来てくれたことは感謝してる。ありがとう。
それから、もう二度と会うことのない私を忘れてね
ましろより】
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月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» いつもありがとうございます。朝桐さんもお気をつけて！ (2022年12月24日 11時) (
レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 続編楽しみにしてます！年末年始、今年は特に寒いのでお体にお気をつけて！ (2022年12月23日 22時) (レス) @page50 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» 秋山さんのストーリーも楽しんで貰えて何よりです。次回の更新、楽しみにしていてくださると嬉しいです( *´꒳`*) (2022年10月19日 23時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - あ、秋山さーん？！？！？！ (2022年10月19日 23時) (レス) @page45 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - アルジュマさん» コメントありがとうございます。そう言ってくださると嬉しいです(*^^*)キャストネームの方もありがとうございます。意味とかも調べながら検討したいと思います！ (2022年8月21日 22時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月詠乃朱 | 作成日時：2021年7月31日 14時
