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28話 ページ28

何度も言葉を詰まらせながら、秋山さんは話を続けた。

「恥ずかしい話なんですけど、私昔から自分の感情に疎くて好き嫌いとかが全然なかったんです。

でも、彼と付き合い始めてようやく自分の中に感情が芽生え始めたような気がして、今まで動くことのなかった心が息をするように揺さぶられて。

そんな彼に振られた時なんかは、食事ものどを通らないほどショックを受けたんですよ。本人に伝えることはできなかったけど、愛していたはずなんです。

十年たった今でも、彼のことを思い出すと胸が苦しくなるぐらいには。重いかなとは自分でも思うけど、好きだったよってちゃんと伝えたいなと思ったんです。

けど、もしお相手がいるようなら控えた方がいいから連絡を取るにも取れなくて...」

か細い声を出しながら顔を赤くする秋山さんは、完全に恋する乙女だ。聞いているこっちも心臓が早くなるような感覚だ。

恋愛は一種の依存だけど、この人は特に感情がなかった分自分を変えるきっかけになった人への思いが他より強いのだろう。

それを本人はどれだけ理解しているだろうか。それを理解していなければ、突き付けられたとき余計にショックを受けることになる。

それだけは避けた方がいいだろう。でもそれは、私が言うべきことではないのだろうな。

「秋山さん、その元カレさんがスターレスでなんて名乗っているのかは知っていますか?私が仕事に出るようになったら、それとなく聞いてみます」

「ありがとうございます!確か銀星って名前だったと思います。一応友人は鷹見って名乗ってます」

銀星さんと鷹見さんか。スターレスにいるって言っていたから、友人も男性なのは分かっていた。鷹見さんがもし秋山さんに好意があったら修羅場なのでは。

「秋山さんから見た鷹見さんってどんな方ですか?」

「鷹見は、信頼はできる人だと思いますよ。あとは面倒見がいいかな。私が体調を崩したときは、定期的に連絡してくれるので」

「面倒見、ですか。優しいとは違うんですか?」

「優しくはないですね。わざと人の弱いところを指摘してくるところとか」

「へぇ、結構仲がいいんですね」

「まあ、そうですね」

そんな話をしながら、サンドイッチを一口食べる。秋山さんが話をしている間に運ばれてきたものだ。

私からできる恋バナがないから、それ以降はスターレスの話を聞いて帰ることになった。秋山さんに家の近くまで送ってもらい、後日一緒に出掛ける話をして帰路についた。

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月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» いつもありがとうございます。朝桐さんもお気をつけて! (2022年12月24日 11時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 続編楽しみにしてます!年末年始、今年は特に寒いのでお体にお気をつけて! (2022年12月23日 22時) (レス) @page50 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» 秋山さんのストーリーも楽しんで貰えて何よりです。次回の更新、楽しみにしていてくださると嬉しいです(​ *´꒳`*​) (2022年10月19日 23時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - あ、秋山さーん?!?!?! (2022年10月19日 23時) (レス) @page45 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - アルジュマさん» コメントありがとうございます。そう言ってくださると嬉しいです(*^^*)キャストネームの方もありがとうございます。意味とかも調べながら検討したいと思います! (2022年8月21日 22時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月詠乃朱 | 作成日時:2021年7月31日 14時

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