23話 ページ23
事務室内で流れる微妙な空気を感じ取りながら、オーナーさんと入れ替わりに入ってきた、フロアの制服をきたモジャっとした髪の男性に目を向ける。
足音や物音を一切たてつずに入ってきたため、一瞬そういう類の者かと思ったが普通にケイさんに話しかけていたため、そうでないことを悟った。
そして一つ、その男の人を見て思い出した。入口に貼っていたポスターと、今日私が見た公演が違っていたことを。
ケイさんが私のお見舞いに来た際に、特別な席を用意してくれると言っていた。もしかして、私が来ると伝えたばかりに急遽演目を変更したのかも。
「美輝、今日の公演は気に入ってくれたか？」
「はい、歌やダンスだけじゃなくて演技も纏まっていて面白かったです。ショーレストラン自体も初めてだったので、新鮮な気持ちで見られました。
入口に貼ってあったポスターが違っていたんですけど、態々演目を変更してくれたんですか？」
「ああ、リンドウから聞いた君の好みと合う演目がTreasuredだったのでな」
「そうだったんですね、ありがとうございます！私、あまり演技に詳しくなくて、好みとかまだ分からないですけど、吉野さんの歌はすごく素敵だなって思いました。
だから、今度また聴く機会があれば他の歌も聴かせてください」
そう言って吉野さんに笑いかけると驚いた顔をされた。な、何か伝え方を間違えてしまったのだろうか……
「……あ、えっと、こちらこそありがとうございます。聴く機会は沢山あると思いますけど、そういう風に言って貰えると嬉しいです」
公演中一瞬、ほんの一瞬だけ、表情が暗く見えたような気がしてた。今はそんな事はなく、明るく笑って居るので私の気の所為だったのかも。
その後はケイさんや早希さんと幾つか言葉を交わし、菓子折りを渡してから帰路にたった。その時に早希さんの事情を教えてもらったので、駅まで送ってからだが。
何が理由で狙われているのかは教えられなかったけれど、何か悪いことをしたとかでは無さそうだし、話した感じ害がある人ではないなと思った。
女性だしひ弱な身体の私ではあまり役に立たないかもしれないが、外で一人の時はできるだけ声をかけようと決めた。
私が知らないだけで、世の中は割りと物騒だ。
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月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» いつもありがとうございます。朝桐さんもお気をつけて！ (2022年12月24日 11時) (
レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 続編楽しみにしてます！年末年始、今年は特に寒いのでお体にお気をつけて！ (2022年12月23日 22時) (レス) @page50 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» 秋山さんのストーリーも楽しんで貰えて何よりです。次回の更新、楽しみにしていてくださると嬉しいです( *´꒳`*) (2022年10月19日 23時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - あ、秋山さーん？！？！？！ (2022年10月19日 23時) (レス) @page45 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - アルジュマさん» コメントありがとうございます。そう言ってくださると嬉しいです(*^^*)キャストネームの方もありがとうございます。意味とかも調べながら検討したいと思います！ (2022年8月21日 22時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月詠乃朱 | 作成日時：2021年7月31日 14時
