13話 看護師の話 ページ13
曇り空を見上げながら病院から出て、ある場所へ向かう。大学時代に知り合った友人に、高校時代気になってた男子の居場所を聞いた。
そこには私の勤務先である病院に入院している美輝さんの弟さんも働いているらしい。昨日、弟さんを見た時、あまり元気が無いように見えた。
落ち込んでいるとかではなく、何となく不安そうな顔をして無理に笑っている。あくまで私の勘に過ぎないけど、彼は寂しいと思っているのかも。
すぐ近くにいるはずなのに、どこか遠い場所に行ってしまう気がしてならない。そういった不安が弟さんにあっても可笑しくはないのだ。
だから弟さんは、孤独を感じているのかもしれない。もし、弟さんが勤務先で上手くいっていないのだとしたら、尚のこと。
彼に会うことがついでになってしまうが、この目で確かめたいのだ。そうすれば、二人の助けになれるかもしれない。
暫く歩いていると、目的の店、スターレスへとたどり着いた。周りにはお洒落をした女性たちが目を輝かせながら中に入っていく。
今日はオシャレとまでは行かないが、少しだけ服装には気を使った。なにせ、友人からこのワンピースに合う服を着るように言われてしまったのだ。
下手な格好をすれば彼の評判を下げてしまうことに繋がりかねない。そんな事を考えながら、女性たちの並に乗る。
中に入り、私を招待した友人を目線で探しながら歩いていると、不意に手を引かれた。
「まさか秋山が、本当に来てくれるなんて思わなかったよ。もし良かったら、俺にエスコートをさせてくれない？」
「鷹見、だったよね。もちろん良いよ」
「ありがとう。後で銀星と変わろうか？」
「別にそこまで気を遣わなくても良いよ。何となくどんな感じなんだろうって、思って来てみただけだから」
「そっか。それじゃあ席まで案内するね」
貼り付けたように感じる笑みを浮かべながら、私の手を取り直す友人、基鷹見は流れるように私を席へと連れて行く。
それなりに長い付き合いなため、彼が愛想笑いを私に浮かべているのが分かった。あくまで他人のフリをしているだけなのだが。
会話をする時はなるべく周りに聞こえないように小さな声で話すようにする。他の常連客が、見た事ない女とキャストが親しげにしていたら良く思わないだろう。
こう言うお店で働いている以上、ファン以上の感情を持たれても不思議じゃない。私と彼がただの友人であることに変わりはないが。
彼が私のことをどう思っているのかは、また別の話だ。
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月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» いつもありがとうございます。朝桐さんもお気をつけて！ (2022年12月24日 11時) (
レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - 続編楽しみにしてます！年末年始、今年は特に寒いのでお体にお気をつけて！ (2022年12月23日 22時) (レス) @page50 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - 朝桐さん» 秋山さんのストーリーも楽しんで貰えて何よりです。次回の更新、楽しみにしていてくださると嬉しいです( *´꒳`*) (2022年10月19日 23時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
朝桐(プロフ) - あ、秋山さーん？！？！？！ (2022年10月19日 23時) (レス) @page45 id: db8064d0f2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠乃朱(プロフ) - アルジュマさん» コメントありがとうございます。そう言ってくださると嬉しいです(*^^*)キャストネームの方もありがとうございます。意味とかも調べながら検討したいと思います！ (2022年8月21日 22時) (レス) id: 3679865769 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月詠乃朱 | 作成日時：2021年7月31日 14時
