久遠のカラフルイヤーズ4

175色目 ページ26

「ね、早く食べて食べて!」

『あ、その前にスマホ取ってくるね!』

「俺が取ってくるから主はそのまま座って待ってて」

Aが席を立とうとしているのを清光が止め、代わり執務室に置いてきたスマホを取りに行ってくれる

「すまほ･･･先ほど主が見せてくれたものか」

『食べる前にほたんとうちゃん達が初めて作ってくれたものだから写真に撮っておきたいの』

「ほ、たん、とう?」

Aの造語によく分からないですという顔で頭の上にハテナを浮かべまくっている三日月

『蛍丸君と短刀ちゃん達でほたんとうちゃん達』

「あぁ、“ほ”は蛍丸の“ほ”だったのか」

どうやら“ほ”の意味が分からなかったようでそこに引っかかっていたようだ

「はい、主取ってきたよ」

『ありがとう清光君･･･うん、よしバッチリ』

パシャリと写真に収めると、スマホを端に置いて、いただきますとフォークを手に取る
先ずは、一口大に小さくしたパウンドケーキをそのまま口に入れる

『んむっ･･･おｗ甘すぎず、でも甘くないわけじゃない･･･かぼちゃとバナナの自然の甘みで美味しいっ･･･いや、皆の愛情が詰まりに詰まってるから美味しいっ』

皆が作ったモノなら泥団子でも美味しいと食べそうな感じがした

「やったね!」

「よ、よかったです」

「喜んでもらえて嬉しいです」

僕たちも食べましょう、俺たちも食べていい?とAの反応を見てから作った短刀たち、一緒に呼ばれた清光たちも食べ始める

「主、喜んでもらえているようですね」

「美味しいかい主」

そこへ、兄組＋光忠たちがお皿を持ってやってきた

『あ!光忠君ヘルプありがとう!助かったよ!お兄ちゃん組もありがとう!すっごく美味しいよ』

にへぇと幸せそうに笑うAにそんなに喜んでもらえてこちらが嬉しくなると笑う男士達

『このアレンジは光忠君が助言してくれたんだよね?』

「!よく僕だって分かったね主」

『皆お手伝いはしてくれてるけど、まだ料理初心者だからね･･･何がどれにどう合うとかまだ分からないと思うの』

でも、これは元のパウンドケーキに合うように添えられてるしと、こんなところでも周りをよく見てくれているAの性格が現れる

「(主はどれが誰がやったとか、言ったとか分かってくれるんだね･･･)」

「そのクリームは俺たちが混ぜたんだ!」

『そうなんだ!ホイップクリームって作るの大変だから頑張ったね!それにちゃんとホイップになってるし』

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