久遠のカラフルイヤーズ4

170色目 ページ21

「燭台切―」

「どうしたんだい愛染君」

「実はな…」

光忠の…と言うより、伊達組の私室に来た愛染は、光忠に事の経緯を説明してお菓子作りを一緒にしてほしいと頼む

「オーケー、僕でいいなら教えるよ」

「ありがとうな!」

即答で了承の意を貰えた愛染は光忠と厨に戻っていく

「主も優しいのは嬉しいけど、自分も大切にしてほしいね」

「出て行くときはホントそんな感じじゃなかったんだけどな…宗三も薬研も聞いてたし」

「おーい、皆、燭台切連れてきたぜ」

「どこら辺まで進んでるのかな?」

進行状況を確認すると、まだ必要な材料を細かくしただけだと返ってきた
Aが置いて行った端末のレシピを確認して、手を洗い参戦する

「大将の状態見てきたぜ」

丁度戻ってきた薬研が、なぜああなったかを説明してくれた

「よかった、次郎さんとぶつかっちゃったから気分悪くなっちゃったんだね」

「完全にあの人の所為にしてますね主…まぁ、ある意味間違ってはいませんけど」

自業自得とはいえ、自分が知らないところで椿もとんだとばっちりだ
男士の誰もそんなことは微塵も思っていないが

「今は、四振りに大将のこと見てもらってるから、しばらくあのまま大人しく寝てるだろう」

菓子作りはどうなったんだ?と聞かれたので、光忠に応援に入ってもらって今から再開すると答えた

「じゃあ薬研君も手を洗って…」

そのカボチャは、耐熱容器に入れて5、6分レンジで温めて
はい、これに入れてねと耐熱用のボールを出してくる

「一気に全部入れたらムラができて全体に火が通らないから…これくらいずつかな」

チン出来たら竹串を刺して、中まで火が通ってるか確認してね…硬い様ならもう1、2分追加でチンして

火が通ったらこのボールに入れて、また別のをそっちのボールでチンして

「愛染君と蛍丸君はこのマッシャーでカボチャを潰してくれるかい?」

カボチャは熱々だから火傷に気を付けてねとボールとマッシャーを渡す

「乱君はこっちでバターを湯煎にかけてくれるかな」

任せて!でも湯煎ってなに?
鍋にお湯を張って、そこに耐熱容器に入れたバターを入れてお湯の熱でバターを溶かすんだ
ボールの中にお湯が入らない様に慎重にね

俺っちも横でみてるよ

薬研が乱の補佐をしてくれるというので、バターはそちらに任せて他の作業をしてもらうために他の子達の方に向かう

「このレシピじゃクリームはないみたいだけど、ホイップしたクリームも添えようか」

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