55色目 ページ6
「大将の手当終わったぜ」
Aの手当を終えて二人は皆が待っている大広間へとやってくる
そして、何故ああなっていたかの説明が始まる
「あの人が朝いきなり遠征に出すって言いだしたじゃないか、朝一で主のとこにいたけど、頃合いを見計らってまた主のとこに行ったんだよ途中で鶴丸に会ってこんのすけを渡されてさ…んで、その後丁度骨喰がいたからひっ捕まえて一緒に行ったんだよ」
「主と俺たち二振りで蔵に行ったら錠で扉が固定されていて、無理やり開けるかと話している後ろにいきなりアイツが来た…」
「言霊で骨喰を操って斬らせたんだ…本能で咄嗟に避けたみたいであの傷だけだったんだよ」
アタシの機動じゃ庇うことも受けることもできなかったよ…ごめんねぇ…済まない
と謝る二人に皆、二人が悪いわけじゃない…きっと主もそう言ったのだろうと誰も咎めなかったし
悪いとは思っていなかった
「その後アタシに蔵を開けさせて全員閉じ込めたんだ…あの人が触るまで蔵に霊力で封がしてるのに気づかなかったよ」
「それに…いや、なんでもない(これは言わない方がいい様な気がする…加州と鶴丸がアイツを細切れにしに行きそうだ…細切れにされればいいが)」
「え、ちょっと、気になるし…全部言ってよね」
「…細切れにはしに行くなよ…」
「細切れ?」
「アイツは座り込む主の髪を掴んで引きずって蔵に投げ入れた…」
「「!!」」
「そうだったんだね…」
蔵で会うまでの椿によるAへの所業に眉を下げてあの人は本当にどうしようもない人だなと哀れに思う
「主さんの奇麗な髪にっ」
「首落としに行っていい?」
「喜べ光坊、ミンチ肉が手に入るぞ…」
「汚くて食べれたもんじゃないでしょ鶴さん…」
ツッコミどころはそっちじゃないというような顔をして光忠を見るが、表情の変化が乏しい骨喰のこの顔が伝わることはなかった
「その後、こんのすけに取り合えず止血だけするもの出してもらって、蔵から出るのににっかりと石切丸を探すことになって奥にいる二振りを見つけたんだよ」
「私と次郎太刀さんとで扉を破壊すれば出られるからと手入れしてくれようとしたんだけど、私より青江さんの傷の方が酷かったから先に青江さんの手入れを頼んだんだ」
「出るのは遅くなったけど、結果的にはよかったかな…あの人襲ってきたし…ね」
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作者名:べっこうあめ | 作成日時:2021年11月14日 14時