96色目 ページ47
『フンフン・・・やっぱ匂い付いてる・・・』
蜻蛉切さん、後で次郎ちゃんたちとお風呂入ってこの臭い落としてねと同じ匂いになってしまった蜻蛉切に顕現初日になんかごめんと謝る
『よーし、執務室の方の調査しようか』
蜻蛉切さんは大丈夫?とこちらのことまで気にかけてくれる主に自分は大丈夫、主が大丈夫なら行きましょうと頼もしい言葉が返ってくる
『次郎ちゃん長谷部君お待たせ』
「もう大丈夫かい?」
『逆に二人は大丈夫?』
「こちらの執務室にいるので大丈夫です」
『ここは押入れとかないんだね』
真ん中に机、奥の壁際に棚…そこに資料が詰まっている…真ん中の机のところには一人分の座布団が…きっと椿が座る分の座布団だろう
天井と床だけ調べようかということになり、次郎太刀が長谷部を肩車して天井板を開けて上を確認するが、やはり特に何もない
机をどかして畳を上げて床を確認するも…唯の床のようだ
「やっぱ特に変わったとこはなさそうだねぇ」
「あぁ、唯の床…だな」
「主が霊力を流しても特に変わらんな」
部屋の真ん中辺りに三人集まって床を叩いたり、触ったりしてみるが…変化なし
『ねぇ、長谷部君…こっちのスイッチって…この電気だよね?』
入り口付近にある部屋の電気のスイッチを指さす
「そうです、下がこの部屋のこの上にある電気のスイッチです」
『この上のスイッチは?』
「それは何なのか分からないのです…我々が押しても何もなく」
『間違って2つあるスイッチカバー付けちゃったのかな』
そう言いながらそのスイッチを押してみると
いきなり床の真ん中辺り…丁度三人がいるあたりの床がガバリと開いて三人が床の下に消える
「え…」
「なにぃっ!?」
「おぉっ!?」
『!!えっ!?な、三人ともっ!!』
落ちた瞬間ギィィーッと音をさせて床が元に戻る
慌てて駆け寄るが、先程見た何の変哲もない床だった…開きそうな気配など微塵もない
『あっ、も、もう一回!もう一回!!…えぇ、何で…何で開かないのっ…』
もう一度スイッチを押してみるが、床は開かない
『ど、どうし…どうしよぅ…あ、み、皆…皆にっ…知らせなきゃっ…』
三人がいきなり落ちて消えたことにパニックになりかけるが、冷静に、冷静にと大広間で休憩してくれているであろう皆に助けを求めに行く
『み、皆っ!』
「どうした主、血相を変えて」
「そんな泣きそうな顔してどうしたの;;」
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作者名:べっこうあめ | 作成日時:2021年11月14日 14時