86色目 ページ37
包丁の髪も乾かし終わり、皆髪が乾いたようだ
「じゃあ皆大広間の方に行こうか」
薬研と乱、骨喰はこの後のことが分かっているので特に気にすることもなく部屋を出て行っているが、残りのメンバーは何があるのかよく分からないというような顔で付いて行く
「いいタイミングで来たね、もう運び始めてるから」
『わ、ありがとう…さ、皆入って入って』
「わぁ、いい匂いです」
「これは…ご飯…ですか?」
「俺たちも、ご飯食べていいのっ?」
Aに促されて入った大広間にはいい匂いが漂っていた
机が並べられていてその上にも美味しそうだと思われる(食べたことが無いので)料理が並んでいた
『勿論だよ、皆は初めて食べるから雑炊と卵焼きとお味噌汁だけど…お昼から他の皆と同じものを食べられるからね』
さ、座って座ってと味噌汁と卵焼きが並べられているところに皆を座るように促す
『雑炊のお鍋取ってくるね』
「主、雑炊の鍋持ってきたよ」
『ありがとう歌仙君、注ぐから貰うね』
鍋を受け取って真ん中あたりに置いて、重ねて置いてある人数分のお茶碗を確認して雑炊を注いでく
『たくさん食べてほしいけど、無理せず気分が悪くなったり、お腹いっぱいだったら残してもいいからね』
はいどうぞ、熱いから気を付けてねと一人一人に雑炊が入ったお茶碗を渡していく
「ここ、一人分空いてますけど、誰が座るんですか?」
秋田と前田の間の席が一人分空いていた…自分たちとは違う料理が置かれていたからだ
「そこは今日の朝餉で主が座るとこだよ」
「加州さん!」
「皆見つかってよかった、傷も手入れしてもらって」
『清光君おはよう、ここ私の席だったんだね』
「おはよう主、今回くらいは譲ろうかなって…お昼は俺、横座るからね」
「なら、その反対側は俺が座るぜ」
お前たち見つかってよかったな、元気そうで何よりだと入り口から鶴丸が粟田口を見て嬉しそうに笑っていた
『お昼は二人が横に座ってくれるの?向こうにいたとき以来だね』
「主は人気で中々横に座れないんだ」
そう話している内に皆集まり始める
席に着く前に見つかってよかった、元気そうでよかった等声をかけてくれた
全員揃っていただきますと挨拶して粟田口の隠されていたメンバーは初ご飯だ
「美味しぃ…ですっ」
「うんめぇっ!」
「美味しいですなぁ鳴狐」
「…うん」
美味しいの言葉が聞けてホッとする…口に合ったようで何よりだ
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作者名:べっこうあめ | 作成日時:2021年11月14日 14時