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76色目 ページ27

「外から見て幅があるってことは、この分だけ空間があるってことだね」

『うん、そういうこと!』

正解!と小竜の頭を撫でる少し背伸びしているのが恰好つかないと少し思ってみたり

「壁、空間、壁ってことか…確かに変だな」

『他の角部屋もこうなってたら…唯の私の勘違いになっちゃうけど;;』

「あー…他の角部屋も見て確認してみる?違ったらこれが変だってことだし」

反対側の角部屋確認してみようかということになったが、条件が同じ部屋の方がいいだろうということになり、粟田口の部屋とは反対側…向かって一番右にある角部屋ではなく、裏の同じ位置になる角部屋を見ることになった

『ここは誰のお部屋?』

「ここは陸奥守の部屋だよ」

『今は姿が見えない人だね』

え、勝手に入っちゃっていいのかなと、今までは誰かしらと相部屋だったため、誰かに許可をもらい入って見ていたが、いない人の部屋に無断で入っていいのかとオロオロする

「陸奥守なら気にしないって許してくれるよ」

「確かにねぇww」

「だな」

と言うわけで、一応失礼しますと言ってから部屋へと足を踏み入れ、目的の押入れと床の間を確認する

『あ、この箱と押入れの奥行がほぼ同じだ』

「じゃあ、これをさっきと同じように置けばいいんだね」

『次郎ちゃんお願いします』

次郎がその箱を持ち出し、位置を確認して、粟田口の部屋と同じように廊下の壁に付けて置いてみる

「同じ…だね」

「ここには、あの部屋のような空間はないということか…」

『やっぱ、あのちょっとの空間…気になるね』

とは言え、人が通れるような通路がある感じのする幅でもないのだ
それくらいの幅なら、通路か何かあるのかと思えるのだが

『うーん、完全に見た目は普通なんだよねぇ』

箱を元に戻して陸奥守の部屋を後にしたAたちは粟田口の部屋へと戻ってきていた

『霊力か何かで…何かしてるのかな?』

「何かしか言ってねぇなw」

「石切丸でも呼ぶか?」

『あー…その方がいいのかなぁ…何かしら霊力が働いてたら気づいてくれそうだし』

取り合えず、石切丸を呼んでこようかということになり、薬研が呼んできてくれることになった

『お願いね薬研君…あ、待って…ちょっとケガしてる』

頬の辺りに小さな擦り傷を発見し、行こうとしていた薬研を止める

「あぁ、かすり傷くらいどうってことないぜ?」

『ダメだよ、すぐ終わるから手入れしてから呼びに行ってきてください』

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作者名:べっこうあめ | 作成日時:2021年11月14日 14時

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