久遠のカラフルイヤーズ2 (ページ26)

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『おぉぅ、西とか東とかの方角…よくわからないんだよね…今向いてるのがどっちとか…』

「北があっちだから、こっちのほう行ってみる?」

『清光君に付いて行く…ん…?』

廊下に出て角を曲がろうとしたときAが何やらふと立ち止まる

「?どうしたんだい?」

「どうした、大将」

『んー…なんか…違和感?』

「なんで疑問形?」

え?どこが?と沖田組はキョロキョロと辺りを見るが、特に変わったところや違和感は感じられない

『なんだろ…なんか、モヤモヤする…』

部屋の前で、部屋の方を見ながらキョロキョロしているAに男士達は何がモヤモヤしているのかが分からない

『こっちって…誰かのお部屋?』

「隣は確か空き部屋だったはずだよ」

近くの次郎が粟田口部屋の左隣の部屋の障子を開けてくれる

『あ、ホントだ空き部屋で間取りは同じだ…ここまでがこのお部屋で、ここからが粟田口のお部屋なんだよね?』

「そうだな…」

『ね、もう一回押入れ…こっちの壁側の押入れの中見ていい?』

「あぁ、いいが…大将、なんか分かったのか?」

『まだ、でもなんか…分かりそう…でもまだ分からない』

そう言って再度、廊下の角の所に面している押入れを開けて中を確認すると、その横の床の間も確認して外に出てくる

『やっぱり！モヤモヤの正体分かった…こっちの、押入れ、床の間側の角の部分…ちょっと大きくない?』

「え、分かんないんだけど…」

「そうなの?;」

『こっちの隣のお部屋は床の間と押入れの幅がほぼ同じで、この廊下側から見る壁もほら、ここからここまで…同じでしょう?』

障子を開けたまま、廊下と部屋の間…敷居を跨いでもらい、交互に中と外を見てもらう

「あ、本当だ…同じだね」

「確かに」

『でも、粟田口のお部屋のこっちの壁はちょっと大きいと思う』

「うーん、これだけじゃ判りづらい」

『じゃあ、こうしたらわかりやすいかな…ちょっと失礼』

押し入れの中の箱を出してきて降ろそうとする…中に物が詰まっているため、重くて苦戦しているが

「アタシに任せな主」

『ありがとう次郎ちゃん…廊下のここにこっち向きで置いてくれる？』

次郎が運んでくれた箱を押入れに入っていたのと同じ向きで壁にピタリと付けて置いてもらう

『この箱の大きさがほぼ押入れの奥行と同じだから…ほら、やっぱりちょっと大きいでしょ?』

そう言ってその箱から奥の壁、20㎝～30㎝程はある幅を見てもらう

「確かに!若干大きい」