検索窓
今日:7 hit、昨日:74 hit、合計:63,889 hit

50色目 ページ1

「済まない…」

「あの人言霊使って骨喰に主を襲わせたんだよ」

「なんだとっ!?手当は…しているようだな」

「取り合えず止血してるだけだから、早く薬研に」

「それが今…」

「なんで出てきているのっ!?それに長谷部、あなたがなんでここにいるのっ!?」

闇夜に不快な金切り声が後ろから木霊する

どうやら、扉が破壊されたことにより錠にかけてあった霊力が解け、すっ飛んできたようだ…想定内ではある

「(五月蠅い…)」

「(これはこれは、耳障りだねぇ…)」

「そういうことだよ、察しな」

ランタンがあるとはいえ、夜目が効かず椿の顔は見え辛いが、冷えた眼差しを送ってやる
向こうは見えているだろから

「…っ!?」

「大丈夫か!?」

「!!主、良かった!無事だったんだね!」

「あぁ、良かった」

椿の後ろから、追いかけてきたのだろう太刀組が走ってきていた

「!!貴方たち、心配して来てくれた…」

「!!怪我をしているじゃないかっ!!こんな驚きは要らないぜっ…」

「でも、気を失っているだけのようだね…よかった…」

「主たちのことは任せておいてって言ったけど、これは加州たちに怒られるね…」

自分を心配して追いかけてきてくれたのかというように振り返る椿の横を、三人とも通過してAの側に駆け寄ると、無事な姿を確認して心底よかったというような顔をしていた

「なっ…!?貴方たちっ…なんでっ…」

「いい加減物分かりが悪いね」

「ーっ!!どいつもこいつも、言うこと聞いてなさいよっ!!貴方たちは私のためにいるんでしょっ!!コイツね!こいつが私の物を惑わしてるのねっ!!…骨喰!!今度は成功させないさい!こいつを斬れ……いないっ!?」

骨喰に再度言霊をかけようとするが、先ほどまでAの近くにいたはずの骨喰の姿が見当たらない
よく見ると、遠いところに移動していた

太刀たちに気を取られている隙に移動したようだ…この距離では言霊の効力が発揮されずかけられない

「(あいつ、分かって遠くにっ…)チッ!じゃあ、長谷部!!主命よ!こいつを斬れっ!!」

「俺の主は貴様じゃない…だから貴様の命令には従わないっ」

「つべこべ言ってないでそいつ斬れ!」

主命と言えば行動するかと思っていたのだろうが、まさかの主命でも動かないため、最終手段で言霊でAを斬らせようとする

「っ!お前、達っ!主を連れて…逃げ、ろ!!」

「僕が受け止めてあげるよ…あぁ、君の刃のことだよ?」

51色目→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
87人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:べっこうあめ | 作成日時:2021年11月14日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。