久遠のカラフルイヤーズ (ページ9)

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8色目ページ9

『回り終わったらお話ししよう?お部屋は離れだし、椿さんはあの感じだとあそこにあまり来ないみたいだし』

「あぁ、俺も話したい、今アイツのところには小竜が行っているから俺は当分呼ばれないだろう」

「はーい、あるじさまとたくさんおはなししたいのでまってます!」

というより、主の傍にいたいと少し眉を下げた鶴丸に、いつもご苦労様と頭を撫で、またねと短刀たちに手を振って本丸案内を再開してもらう

「ね、主…おっと、廊下とかじゃアイツに聞かれてるかもしれないから見習いさんって呼ぶね」

『ん?なーに?』

「俺、鶴丸とかみたいに…キレイとかそんなんじゃないけど…可愛くしてるから…愛して、くれる?」

『あはは、そんな心配しなくてもちゃんと大好きだよ…それに、初期刀って唯一自分の意志で選べる特別な刀じゃない』

ね、と今握っている手にもう片方も添えてぎゅっと握る…伝われと思いも込めて

「特別、俺、特別…?」

『うん』

「えへへ、これからもずっと可愛がってね」

可愛がるとは具体的には分からないが、向こうにいた時の様でいいのだろうかとふと思う

この後、手合わせする道場や厨、厠、風呂場等を案内してもらう
あれだけ人がいるのに厨はあまり使われていないような感じがした…やはり審神者一人分の料理しか作っていないからだろう

「一通り回ったかな、まぁ、研修の内容を教える場合は向こうから呼びに来るだろうから離れに戻ろう」

案内するべきところは回ったので一旦離れに戻る…皆を呼んでこなくてはいけない

「じゃあ、俺皆を呼んでくるね…広間にいるだろうから」

『ありがとう、清光君…お願いね』

ちょっと行ってきまーすと手を振る清光にいってらっしゃいと手を振り返す
やっぱ、大きくても可愛いなぁと思いながら何故に太刀だけ(しかも自分基準の見目麗しいものだけ)贔屓するのだろうか

普通に接していればちゃんと慕ってくれる彼らのどこがどう不満なんだと疑問でいっぱいになる

皆が来てくれるなら座布団でも用意しようと思い押入れの襖を開けると上に布団、下に座布団が何枚か入っていた

『さっき広間であった子たちの分はあるな…その子たちが来てくれるかは謎だけど』

『お茶でも出してあげたいところだけど、お茶っ葉なんてないし、急須や湯呑すらないよ…厨に置いてるのかな…でも、あの人お茶なんて飲まなさそう…』