25色目 ページ26
刀剣については無知なので、直接色々聞きたかったんですと離れの本のことを言われる前に色々言われる前にそれらしいことを言っておく
「…勉強、熱心なのね…ﾁｯ…どいつもこいつも言うこと聞きなさいよっ…程ほどにね、行くわよ鶴丸」
ボソリとそう呟き、鶴丸を引き連れて去っていく審神者の後ろで鶴丸が悪いわけではないのに申し訳なさそうに小声で済まんなと言う
それに、やっぱりあの人の近侍とか疲れる以外何もない、鶴丸たちがいつも耐えてくれてるお陰だと誰も嫌な顔をせず大丈夫だと顔を横に振っていた
完全に去ったのを確認して
『聞こえてる!聞こえてるからっ!何でもかんでも自分の思い通りなると思ったら大間違いだからぁっ!皆だって好きなことしたいに決まってるでしょっ』
ふんす、と怒りの方で興奮しているAを見るのは初めてだが、それが自分たちのことに対して怒ってくれていると思うと貴重な表情を見れたのとダブルで嬉しい
「おぉ、怖いな大将…鼻息荒くなってるぜ?」
『あ、薬研君おかえり』
「薬研たちはあの人と会わなかったの?」
「そこの角のところで丁度あの人が来たから隠れてやり過ごしてたんだ」
「あぁ、短刀、脇差の隠密をあの人が分かるわけないよね」
どこか黒い言い方、鼻で笑っている安定に、黒い一面もあるのかと感心していた
安定の言うよに、連れてきたのは脇差だ…紫水晶の髪色、しかし表情は余りない乱と薬研の兄弟
骨喰藤四郎だ
『広間で顔合わせした以来だね、私は優癒子ですよろしくねえっと』
「あぁ…骨喰藤四郎だ」
『骨喰君、手入れしてもいい?』
「よろしく頼む･･･それと、兄弟たちを･･･ありがとう」
手を出してもらい、手をそっと握ると霊力を流し手入れする
『治った?ごめんね、どこに傷があるか分からないから治ってるか確認できないの』
「大丈夫だ、治った」
『それなら良かった』
こっちでお話ししよう?と輪になって座っているところへ誘う
『質問とかしていい?』
「あぁ」
この後怒涛の質問攻めにより少し骨喰がぐったりしたのはしょうがないことだ
「いやぁ、面白いくらい質問されてたな骨喰ｗｗ」
「少しくらい止めてくれ、薬研」
『ゴメンね;;色々聞きたくて;;』
「嫌だった、わけじゃない」
自分についてこれ程興味を持ってもらい聞かれることなどなかったためたじろいでしまったようだ
『あのね、今日の夜みんなできるだけ集まってほしい･･･聞いてほしいことがあるの』
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作者名：べっこうあめ | 作成日時：2021年9月16日 18時
