22色目 ページ23
Aを見つけて一緒に行き、隣に座るという目論見が崩れてため息をつく
『それで、えっと…小夜ちゃんのお隣にいる方は?長谷部君は最初に会った時ぶりだね』
二人が座るのを見届けてから、小夜の隣に座る桃色のオッドアイの刀剣を見つめる…広間にはいたが初めましてだ
「僕は宗三左文字といいます、お小夜は僕の弟です…お小夜がお世話になって…傷も手入れしてくれて…ありがとうございます」
「俺は門で会った以来ですね、あの時は横にあの者がいたので不躾な態度で申し訳ございませんでした、六振りから話は聞いています」
「ちょっと、被っているんですけど」
長谷部がガッツリ前に出てAの前で正座して頭を下げたことにより邪魔だと抗議が入る
『そんな、気にしないで;;そ、宗三君がすごいことになってるから戻ってあげて?;;』
こいつどうしてやろうか的な目で長谷部を見ている宗三を長谷部越しに見てしまい戻ってくれるようお願いする
「主命とあらば」
『!!め、命令じゃなくてお願い、お願い…ね?;;』
早くも長谷部節を展開している主ガチ勢2の勢いにタジタジなA
しかし、嫌いなわけではないので本当に困惑しているだけだ…その勢いに
因みにガチ勢1は言わずもがな初期刀だ
「そう言えば、何で大将は加州の旦那や小夜助を探していたんだ?」
『小夜ちゃんって色んな呼び方があるんだね…可愛いね』
「聞いてくれないか?」
『ごめん、ごめんちゃんと聞いてるよ…中傷、重傷の子を手入れしようと思ったんだけど…部屋割り聞いてなかったから、どのお部屋にいるか分からなかったの…そしたら長曽祢さんに会って聞いたけど分からないって…清光君や小夜ちゃんなら知ってるかもって教えてくれたから』
「実はね、俺たちも分からないんだ」
『そうなの?』
「…主さまはこの本丸の刀剣の人数が少ないって気づいてるよね?」
『うん、広間で皆に会った時から話に聞いてイメージしてた人数より大分少ないなって思って昨日こんちゃんに刀帳見せてもらったの』
そうしたら、刀帳に載ってる人数よりやっぱり見かけていない人の方が多いって確信して
出歩けないほど傷を負っていて部屋から出られないのかと思って
「俺たちも中傷、重傷者がいなくなってることには気づいてた…でも、どこにいてどうなってるかは分からないんだ」
『あの広間に集まってた人たちは、軽傷か無傷の人なんだよね?』
「そうだ」
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作者名:べっこうあめ | 作成日時:2021年9月16日 18時