久遠のカラフルイヤーズ (ページ22)

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21色目ページ22

『手入れをしようと思って…広間で見かけなかったということは部屋から出られない程の傷を負っているってことだよね…』

あの時、初めて六振りに会った時のことを思い出す
目を背けたくなるほどの酷い傷に青白いを通り越して白い顔色に苦痛に歪む苦しそうな顔

『そういう状況になってるって…あり得ないことだよね？傷を負った直後ならまだしも…ずっとなんて…』

心痛めたように俯く目の前の見習いからは嫌な感じが一切しない
演技かとも思ったが、鶴丸があれ程懐いているのだ…違うのだろうなと切り替える

「中傷、重傷のやつ等はどこにいるか俺には分からないんだ…力になれなくて済まない」

清光や小夜辺りなら知っているかもしれないからそちらに聞いてみてくれとポンと優しく頭に手を乗せて去っていく

『ありがとうございます、長曽祢さん』

少しでも歩み寄ろうとしてくれたその心が嬉しいのだ
絶対見つけてやると意気込んで清光か小夜を探す

『(意外と大広間に集まってたりなんか…)』

少し希望を抱いて大広間を覗いてみる

『失礼、します』

少し障子を開けてひょっこり中を覗いてみると、数人集まっているようだった

「あ!主さんいた!加州さんがさっき呼びに行ったけどいないから探しに行ったんだよ」

鍛刀の講習が終わった後離れに戻ると思いそちらに呼びに行ってくれたらしい
完全に入れ違いになっていたようだ

『わわ、ごめんね;;終わってそのまま私も清光君か小夜ちゃん探しに行ってここに辿り着いたの;;』

「完全に入れ違いになってますね、少ししたら加州さんも戻ってくると思うのでここで待っていては?」

『そうだね、そうする…お邪魔します』

乱が自分が座っているところを空けて、膝に座らせてほしいと言ってきたので快諾してそこに座る

「やっぱデカいな乱…大将がほぼ見えてねぇぞ」

「ちょっと薬研、デリカシー無いよっ」

『(デリカシーを知ってて使いこなせる乱ちゃんの女子力ぅ)』

「あぁ、やっぱこっちきてた…」

「ほら、やっぱまた離れに行かずにこっちに戻った方が良かったじゃん」

安定と探しに行ってくれていたのか二人が広間に戻ってくる
そして、少し揉めているのはご愛敬

「だって迷ってるのかと思ったの!」

「主はそこまで抜けてないでしょ」

『二人とも、私の所為で態々探しに行ってもらってごめんね、ありがとう』

「しかも、隣埋まってるしっ…」

「清光は昨日隣に座ってたんだからいいでしょ」