久遠のカラフルイヤーズ (ページ16)

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15色目ページ16

何故一月程しかいなかったのに六振りがあれ程信頼して懐いているのか分からなかった
しかも、他人と線を引き壁を作る小夜までもが

しかし、話して触れ合ってみて合点がいった…彼女の言葉は温かく、そして心が穏やかになる
そして救われる自分がいる

何気ない、本人は意識をしていないのかもしれないが

「ありがとう…僕も、加州たちみたいに…主と呼んでも…いい、だろうか?」

『勿論だよ!』

「あぁ、長くなってしまって済まない…お風呂場へ行こうか」

『ありがとう』

「君はありがとうと言ってくれるんだね、何事にも」

『光忠君にも言ったけど、普通だよ普通…椿さんがダメな大人なだけだよ』

お風呂セットを抱えて歌仙に連れられてお風呂場へと向かう
清光に案内してもらったので場所は分かると伝えたが、まだ話したいのだと言われ一緒に向かっていた

「じゃあ、上がったら声をかけてくれ…僕はここで誰か入らないか見張っておくから」

そのために一緒に来たというのもあるみたいだ

『ごめんね、手間をおかけします…誰かが私の裸なんか見たら…お目汚しで申し訳なさすぎるからお願いします』

そう言って扉を閉めていく

「(そっちかい!?)」

まさかの見られたらではなく、見せてしまったらの方で思わずそっちじゃないと心の中でツッコんでしまう

１時間もしない内にAは戻ってくる
洗面所にドライヤーは無いため髪は濡れたままだ

「済まない、ここにはドライヤーは無いんだ…部屋で乾かそう」

別のタオルを用意してくるから先に離れに戻っていてほしいと言われたため歌仙と別れて離れに戻る

『そう言えば、皆自然乾燥だって言ってたな…椿さん以外』

自分では乾かさず、お世話好きそうな光忠君辺りにやってもらってそうだと勝手に思う
もう一人の小竜には、大広間で見たことはあるが会ったことはないのでどういう人なのか分からない
ため想像もつかない

鶴丸は言えばやりそうだが渋々、内心嫌々やらされてそうだと想像する

本人に聞いてこれが当たっていれば可愛そうなので聞かないが

「失礼、湯浴みを終えたと聞いてね」

障子の前で一つ声をかけられて入ってきたのは乱とは少し違うロングの金髪を高い位置で赤い結い紐で結び、本紫色の瞳の小竜だ

『あ、はい、今歌仙君がタオルを取りに行ってくれてて…えっと』

「俺は小竜景光」

『大広間では会ったけど、初めまして優癒子です(この人が小竜君)』

「フム、綺麗な霊力だね･･･傍に居ると心地いい」