側にいて欲しい ページ11
Aがハルタ達に呼ばれて行ってしまい、俺はエースとサッチの三人で飲んでいた。
「…なんだよマルコ、今日機嫌悪ィな！」
「別に悪くねェよい」
「せっかくAが帰ってきたのに他の奴のところに行っちまうから、拗ねてんだろ」
「…一番の原因はテメェだよい！」
「ギャァァァ！」
「サッチお前、何したんだよ…」
悔しいが、サッチの言うとおりだった。
俺はこの二年間、Aに会いたくて仕方なかった。
そして今日、Aが帰ってきた。
この船の皆がAを大好きなことも、
Aもあいつらが大好きなこともわかっている。
だが、せめて今日だけは俺と一緒にいてほしかった。
「…俺、Aのことになると周りが見えなくなっちまうんだよい」
「あぁ…マルコが何か一つのことに固執してる姿、初めて見たぜ」
「束縛なんてする気はねェが、Aにはずっと俺の側にいてほしいんだ……きっと、またあいつを失うのが怖いんだろうな」
いつから俺はこんなに臆病になったんだ。
やっぱりAと出会って変わったな、俺。
「Aだって同じだと思うぜ」
「え？」
「あいつはな、お前が思っている以上にお前に惚れてる。昔、どんだけ俺に相談してきたと思ってんだ」
「Aが…？」
「あぁ。口を開けばお前の名前ばっかりだったんだぞ。ったく、人の気も知らねぇでよ…」
「サッチ、お前まさか…」
「あっ、誤解すんなよ！今さら奪おうなんて思ってねェからな」
なんだかんだサッチは、周りがよく見えていて優しい。
元気のないクルーを見かけたら迷わず声をかけ、相手を笑顔にする。
本人には言わねェが、サッチのそういう面は本当に尊敬している。
俺なんかより、ずっと大人なのかもな…。
「俺はな、お前らに幸せになってほしいんだ。特にAには、笑顔でいてほしい…だからよ、マルコ」
サッチは俺の目を真っ直ぐ見つめて言った。
「ずっとお前がAの側にいてやってくれ。お前にとってAがそうであるように、Aにとってもマルコは特別な存在なんだ」
サッチ…
ありがとよい。
「言われなくてもそうするよい」
「へっ…早速お姫様の登場だぜ、王子様」
振り向くと、Aが笑顔でこっちへ向かって歩いてきていた。
俺が、これからあいつを守ってやらないとな。
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黒豆粉 - めっちゃ素敵なお話でした！！！！ありがとうございました！！！！ (2021年6月11日 0時) (
レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
弱音ハクはオレの嫁(プロフ) - 一気に読ませていただきました！感動で画面が見えにくいです。最高のハッピーエンドをありがとうございます！！！ (2021年3月18日 9時) (レス) id: ccc8b6f347 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - この話もう5回以上は読んでます。毎回レイさんのことを｢姉御｣と呼び慕っています！！← 次世代の海賊達がどんな子達に育つのかとか色々想像してしまいます (2018年1月25日 13時) (レス) id: 121973e45a (このIDを非表示/違反報告)
まるまる。(プロフ) - どんどんお話に引き込まれました！おもしろかったです！ (2016年7月15日 1時) (レス) id: c4da1e1077 (このIDを非表示/違反報告)
あざらし(プロフ) - 読みました。ありがとうございました！本当に感動しました！もう泣きそうです。マルコにほれました！新作を楽しみにしています。 (2015年9月3日 23時) (レス) id: 8289272181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なで肩 | 作成日時：2014年11月2日 10時
