†イナズマイレブン† 私が、トリップして得たものは──。 (ページ1)

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†序章ページ1

──ｷｷｨｰｰｰ!!

『───おかあ、さん？おとう、さん…？』

あの日…
私は両親を亡くした。

同時に、声も失ってしまった。

『ｯ……ぅ……』

あまりにも、突然のことで…
哀しくて…つらくて…

声を出して泣きたくても、今の私に声は出せない──

*

両親を亡くしたあの日から、数年後。
──いつの日から、私はいじめられるようになった。

初めの頃は、無理にでも笑っていた。
両親が私の笑った顔が好きだと、言ってくれたから…。

でも…

『お前、喋れないなんて嘘なんじゃねーのー？』

『Aちゃん、うざいんだよね。消えてくれない…？』

『お前なんて居なくなっても、誰も悲しまねーよ！！』

殴られ、蹴られ…
暴言を浴びせられる毎日…

『貴方なんて引き取らなければ良かったわ』

『笑うな、目障りだ』

私は、次第に笑えなくなっていった──

*

そんな日々を過ごして、私は思った。
──この世界に、私の居場所はないと。

けれど、ただひとつだけ…
心の支えになるものがあった。

それは──
"イナズマイレブン"という、アニメだった。

ただ、イナズマイレブンというアニメは、
私には理解できないようなことがたくさんあった。

仲間という存在を、人のぬくもりを、
何ひとつ、知らない私には───

これは、そんな何も知らない声と笑顔を失くした少女と、
仲間の大切さを知っている彼らの…

絆の物語──