不敵な笑みです。 ページ48
「へぇ。じゃああんたは工藤のことも知っとるんやな?」
「うん、私の実家が新一の家の前なの。」
あれから私と服部くんの質疑応答は長く続いた。
どれだけ疑われてんのよ私……。
でももうそろそろ終わりにしたいなこれ。
じゃないともうすぐ私の家に着いちゃうし。
さすがに家バレはしたくない。
「じゃあ工藤とも仲良いんやな?」
「まぁ、それなりには?でも新一ってば最近姿を見せてくれないんだよね。服部くん何か知らない?」
だから私は今度は服部くんが困るような質問をした。
大人げないって?
それでも結構。私は早く家に帰りたい。
「へっ?おっ、俺は知らんなぁ。く、工藤のことや。やっかいな事件にでも巻き込まれてるんやないか?」
「やっぱりそうなのかなぁ。……けど、連絡1つくらい寄越してくれたっていいと思わない?こっちは心配してるんだから!」
「そっ、そーやなぁ。」
案の定、服部くんは私の言葉に困りまくっている。
おまけに新一に対しての愚痴を零すと、面倒なことになってしまったとでもいうような顔つきになる服部くん。
「け、けどっ、そんなに工藤の事心配しとるならあんたは敵じゃなさそうやな?」
「………敵っていうのが何を指してるのかはよく分かんないんだけど?」
「あ、あんたは知らんでいい事や。」
「そっか。」
服部くんの言う敵ってのは組織のことだろうな。
私が何の関係もない人間だと分かったから、巻き込まないように知らなくて良いといったんだろうけど……
残念ながら私は全て知ってるんだよね。
「ところで、あんたの家どこなんや?」
「もうすぐそこだよ。だから送ってもらうのもここまでで大丈夫。聞きたいこともたくさん聞けたからいいでしょ?」
「いや、送るで。ここで別れたら何の意味もないやろ。」
んー、でもそろそろ別れないと私的にまずいんだけどな。
「大丈夫だよ。今よりももっと遅い時間に仕事から帰ることもあるし。」
「けどなぁ…」
「それに、さすがに今日会ったばかりの人に私の家の場所まで知られるのはちょっとね?服部くんが私を疑うように私だってそれなりにあなたを疑ってるんだから。ねっ?」
「……っ!!!」
私がわざと不敵な笑みを浮かべながらそう言うと服部くんは一瞬怯えるような顔をする。
そんなにこの笑顔怖かったかな?
けれど、その笑顔のおかげで私はようやく服部くんから解放され家に帰ることができた。
2164人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
青龍 葵(プロフ) - 脱字があります!「すぐ帰ります」で「…ちょっと○○そんに会って欲しい奴がいるんだ」の『○○そんに』とは何でしょうか? (2018年7月26日 17時) (レス) id: 970e92a440 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 零さん» 返事おくれました!嬉しいコメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月7日 23時) (レス) id: fb8724423b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いつも楽しみに読んでます!!続編も頑張って下さい! (2017年4月30日 21時) (レス) id: f4f2fc359b (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 唯さん» ありがとうございます! (2017年4月30日 19時) (レス) id: a2b81a1195 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - とっても面白いです!!更新頑張って下さい (2017年4月25日 3時) (レス) id: 0cdca89a6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:祐 | 作成日時:2017年3月30日 23時