逃げ場がないです。 ページ31
「……んん…もう朝かぁ…って、あれ、ここどこ?」
目が覚めるといつもと違う光景に戸惑った。
けれど、疑問はすぐに解けた。
昨日、降谷さんの家に初めて来て看病してそのまま寝ちゃったのか。
そうしてようやく今の状況を整理できたところでまた新たな疑問が出た。
「……なんで私がベッドで寝てるの!?」
たしか昨日はベッドサイドに椅子を置いて降谷さんの看病をしていたはずなのに。
私はベッドから飛び降りて部屋を出る。
するとそこには優雅にコーヒーを飲みながらニュースを見ているここの家主がいた。
「もう起きたのか。早かったな。おはようA」
「え、はい。おはようございます……じゃなくて!!何普通の顔してコーヒー飲んでるんですか!?」
「何でって熱は下がったからな。」
「再熱してもおかしくないんですから今日は寝ていて下さい!!降谷さん、あなたは昨日38度後半あったんですよ!?」
私が怒鳴ると面倒くさそうな顔をする降谷さん。
「朝からそんなに怒るな。」
「私は降谷さんのため思って怒ってるんです!!!」
私が熱が下がった次の日は安静にしていろなんて言ったくせに、なんで自分の時は例外になってるんだよ!!
「じゃあ俺のために今日は1日ここにいろ。」
「………はい?」
彼は私をどれだけ怒らせたいのだろうか。
会話がまるで成立しない。
「俺のため思うなら怒るんじゃなくて1日ここにいろ。」
「いや、私今日仕事…」
「昨日早引きしたからどうせPCも資料も持って帰ってきてるんだろ?ここですればいい。風見には俺から言っておく。」
……降谷さん、それ職権乱用…。
でも降谷さんのこの目からしてこれはもう決定事項だ。
私に拒否権はない。
「………はぁ、分かりましたよ。でも何でそこまでして私をここに居させたいんですか」
そう、これが1番の疑問だ。
降谷さんは私のそんな質問にすこし黙り込んだ。
そして、数秒空いて返された言葉は…
「………暇だから。」
ーープチッ
私の脳内の血管が切れた音がした気がした。
降谷さんの言葉に怒った私は怒鳴り散らかした後、仕事へと向かった。
が、しかしすでに風見さんに連絡が言っていたらしく警備企画課全総力で警察庁から追い出され結局家に帰って仕事をすることになった。
そして私の家には当然のように降谷さんがいた。
だめだ逃げ場がない。
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青龍 葵(プロフ) - 脱字があります!「すぐ帰ります」で「…ちょっと○○そんに会って欲しい奴がいるんだ」の『○○そんに』とは何でしょうか? (2018年7月26日 17時) (レス) id: 970e92a440 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 零さん» 返事おくれました!嬉しいコメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月7日 23時) (レス) id: fb8724423b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いつも楽しみに読んでます!!続編も頑張って下さい! (2017年4月30日 21時) (レス) id: f4f2fc359b (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 唯さん» ありがとうございます! (2017年4月30日 19時) (レス) id: a2b81a1195 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - とっても面白いです!!更新頑張って下さい (2017年4月25日 3時) (レス) id: 0cdca89a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2017年3月30日 23時