寂しくなりますよね。 ページ29
｢……男の人って感じだなぁ。｣
降谷さんを寝かしつけた後私は降谷さんの部屋をしばし眺めていた。
家具は必要最小限。
私の部屋も物は少ないけど、それ以上にないなぁ。
仕事上、写真なんかもあるはずがない。
｢なんか寂しい部屋だなぁ……｣
1人でこの部屋にいるのは寂しすぎる気がする。
もしかして私の部屋に来るのは寂しいから……？
｢………なーんて、そんなわけないか。よしっ、降谷さんのために卵がゆでも作ろうっ｣
そうして私はキッチンを借りて卵がゆを作り始めた。
卵がゆくらいなら私でも作れるんだよ。
言っておくけど全く料理ができない訳ではない。
しようと思わないだけで…。
それにしても、キッチン用品はたくさん揃ってる。
さすが降谷さんと言うべきなのか…
〜〜〜〜〜〜〜〜
卵がゆを作り終えた私は買ってきたりんごをすりおろしたものと一緒に降谷さんの元へと向かった。
熱にはすりおろしたりんごが良いってよく聞くもんね。
寝室に入ると苦しそうに寝ている降谷さんがいた。
こんな風に弱った降谷さんを見るのは初めてかもしれない。
精神的に弱ってるのは数回見たことあるけど、身体的っていうのは初めてだ。
私は卵がゆをベッドのサイドテーブルに置いて、寝ている降谷さんの頬をそっと触った。
｢………すごい熱。｣
これは39度くらいありそう。
この家体温計ないのかな？
そう思って、1度頬から手を離そうとした。
けれどその行動は、降谷さんの熱くなった手が私の手に重なって阻止された。
｢あ、ごめんなさい。起こしちゃいましたね｣
｢………悪いなAっ、ごほっごほっ｣
｢私もこの前看病してもらったしお互い様ですよ。それより体温計とかあります？｣
｢……リビングの棚の1番上…｣
｢了解です。｣
体温計の在り処をしった私は今度こそ降谷さん離れようとする。
だけど、重なられていた手はいつの間にか強く握りしめられていた。
｢降谷さん？体温計とってくるのでちょっと離してくれませんか？｣
｢………行かなくていい。｣
涙目で見つめられて体温計を取りに行くのを躊躇いそうになる。
けど、これは降谷さんのため。
｢でも、熱は測らないといけませんよ？｣
｢…………。｣
｢すぐに戻ってきますから。ね？｣
私が説得するように言うとようやく手を離された。
やっぱ病気になると人って寂しくなるもんだよね。
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青龍 葵(プロフ) - 脱字があります！「すぐ帰ります」で「…ちょっと○○そんに会って欲しい奴がいるんだ」の『○○そんに』とは何でしょうか？ (2018年7月26日 17時) (
レス) id: 970e92a440 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 零さん» 返事おくれました！嬉しいコメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年5月7日 23時) (レス) id: fb8724423b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いつも楽しみに読んでます！！続編も頑張って下さい！ (2017年4月30日 21時) (レス) id: f4f2fc359b (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 唯さん» ありがとうございます！ (2017年4月30日 19時) (レス) id: a2b81a1195 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - とっても面白いです!!更新頑張って下さい (2017年4月25日 3時) (レス) id: 0cdca89a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐
| 作成日時：2017年3月30日 23時
