私もそうでした。 ページ24
「……なんで江戸川くん達を追い出したの?」
「え?いた方がよかった?」
「別にそうじゃないけど……」
「この方が話しやすいじゃない?女2人でさ」
「…………。」
うーん…私に対する警戒心が強いなぁ。
どうしたものか。
明美さんの話をしたら100%色々誤解されるだろうし。
何も知らないふりをしながら哀ちゃんを元気づけなきゃいけない。
けど、どうやってすればいいの?
何を話すか迷っていると先に哀ちゃんが口を開いた。
「あなた名前は?」
「あ、そういえば名乗ってなかったね。私は七瀬A。28歳。」
「………そう」
年齢も答えちゃった。まぁいっか。
でも名前を聞いてくるって事はそれなりに興味を持ってくれてるのかな?
「あっ、じゃあさ、初めて会ったんだしそれぞれ聞きたいことを聞き合わない?」
「聞きたいこと?……まぁ、いいわ。私は今質問したからあなたからどうぞ。」
案外乗り気?コナン君の言う通り女だから話しやすいのかな?
「んー、じゃあまずは、哀ちゃんはコナン君も同じ年なの?」
「……えぇそうよ。」
「そうなんだ。じゃあ次哀ちゃんどうぞ。」
同い年で同じクラスになるのも知ってるんだけどね。でもいい感じ。こうやって少しずつ話してくれれば…
「……あなたは何を知ってるの」
……いきなり本題に入りそうです。
乗り気だったのはこれが聞きたかったからか。
それにしても哀ちゃんすごい眼力あるなぁ。
「何をってどういうことかな?」
「……あなたは何か知ってる。そんな気がするのよ」
相変わらずすごい勘の良さ。
でもさすがに全て知ってるとはいえないからね。
「うーん……哀ちゃんに言えるような事は何も思いつかないんだけどなぁ。」
「………。」
「まぁ、でも今哀ちゃんが抱えている心の闇はわかるかなぁ。」
「……どういうこと?」
「孤独、喪失、絶望……そんな感情が哀ちゃんの中にはあると思うんだけど……ちがう?」
「………。」
返事がないってことは合ってるのかな。
いやでも、きっと合ってる。
今の哀ちゃん私がこの世界に来た時にそっくりだもん。
周りに誰もいなくて孤独で、心が空っぽで虚しくて、希望が持てない。
そんな感じ。
誰かに頼りたい、けど誰に頼ればいいのか、そもそも頼っていいものなのか分からない。
きっとそう思ってるんだと思う。
………私がそうだったように。
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青龍 葵(プロフ) - 脱字があります!「すぐ帰ります」で「…ちょっと○○そんに会って欲しい奴がいるんだ」の『○○そんに』とは何でしょうか? (2018年7月26日 17時) (レス) id: 970e92a440 (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 零さん» 返事おくれました!嬉しいコメントありがとうございます!頑張ります! (2017年5月7日 23時) (レス) id: fb8724423b (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - いつも楽しみに読んでます!!続編も頑張って下さい! (2017年4月30日 21時) (レス) id: f4f2fc359b (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - 唯さん» ありがとうございます! (2017年4月30日 19時) (レス) id: a2b81a1195 (このIDを非表示/違反報告)
唯 - とっても面白いです!!更新頑張って下さい (2017年4月25日 3時) (レス) id: 0cdca89a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2017年3月30日 23時