見守っていて下さい。 ページ41
あれから松田さんは私を車に乗せ、目的地を伝えないまま、どこかへと車を走らせ始めた。
｢あの、松田さん。どこに行くかは言わなくていいので、何をするかだけ教えてくれませんか？｣
｢そうだな……いつになってもメールを返してくれない親友に会いに行く｣
｢…………はい？｣
｢まぁお前はつまんねぇかも知れねぇな。｣
“はい？”なんて何も分かってない振りをしたけど、本当は一瞬で分かってしまった。
今から松田さんがどこに行こうとして、何をしようとしているのか。
数十分車を走らせた後、“ちょっと待っとけ”と言い残して、私を車に置いていった松田さんは顔に似合わない花束を持って帰ってきた。
さすがに、ここまで来れば誰でも分かるよ…
｢松田さん、今から行こうとしてるとこって…｣
｢さすがに分かったか。｣
｢私これで警察官なんで｣
｢ははっ、そうだな。お前の予想はたぶん当たってる。……今向かっているのは死んだ親友の墓だ。｣
そう笑って言う松田さんの顔は悲しそうで、
無理して笑顔を作っているのが分かる。
それから、また数分経ってようやく墓地へついた。
墓地に着いてからは私は松田さんを追いかける形で付いていく。
｢……よぉ、久しぶりだな萩原。｣
そう言って松田さんは1つの墓の前にしゃがみこんだ。
私はそんな彼の横に立った。
｢今年はお前の命日は来れそうになかったから今日きたんだ。悪いな。｣
悪いなと言いながら松田さんはさっき買った花を置き、手を合わせて目を瞑った。
それを見た私も手を合わせて目を瞑る。
萩原さん。
松田さんは私が爆弾魔から守ります。
絶対に。約束します。
だからどうか萩原さんも彼を見守っていて下さい。
私は会ったこともない萩原さんに念を送った。
すると、松田さんも終わったようで何故か少し微笑みながら私の方をみていた。
そんな様子が不思議で首を傾げると、松田さんはまた萩原さんのお墓の方を向いて喋り始めた。
｢萩原。こいつ七瀬Aって言うんだ。ほんとバカで訳わかんねぇやつだよ。……けど、もしお前が生きていたら会わせてやりたかったやつだ。お前も気に入ると思うぞ。｣
そうか。松田さんは私を萩原さんに紹介したくて私も連れてきたんだ……。
｢なぁ萩原。お前の敵は絶対に俺がうつ。だから俺を天国で見守っててくれよ？……それじゃ、またな｣
松田さんはそう言い残すと、何のためらいもなくお墓から離れていった
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祐(プロフ) - Aliceさん» 誤字の報告ありがとうございます!今訂正致しました!!自分だけでは見つけられない部分もあると思うのですごく助かります。 (2017年4月4日 19時) (
レス) id: 9347eda9ce (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 37ページの最初の行も誤字です (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 31ページで、誤字ありましたよ。いちばんばんw (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - ねぉさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!!頑張ります！ (2017年4月3日 14時) (レス) id: a14d757431 (このIDを非表示/違反報告)
ねぉ - 1日ちょっと過ぎてしまったけど、全部読みました！！コナンのトリップの中で1番おもしろかったです！続編楽しみにしてます！ (2017年4月3日 1時) (レス) id: cc3a2c5af5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：祐
| 作成日時：2017年3月24日 16時
