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無力です。 ページ23

「降谷さんもその少年といずれ出会います。あとおそらく4年の内に。」


「そんなに先なのか?」


「はい。なぜかその漫画の始まるかなり前に私は飛ばされてしまったようで……神様もひどいです。」


「そうか……じゃあ」


「??」



いきなり口篭る降谷さん。




「……じゃあ、なんであいつが死ぬと分かったんだ。まだ物語は始まっていないんだろ?」




ピキッと、空気が凍るような音がした気がする。

陽気なムードだったのがガラッと変わってしまった。

あいつっていうのはスコッチのことだろう。




「そ、それは…」


「……A。これだけは答えてくれ。」


「…彼は、スコッチは、その漫画ではすでに亡くなっている登場人物として出てくるんです……。それで、彼に生きて欲しいと思って私は降谷さんを…っ!!」



“降谷さんを止めようとした”

と言いかけた瞬間、私はとっさに自分の手で口をおさえた。



「A?」



私の不思議な行動に降谷さんは眉を寄せる。


だめだ。

これを言ったらスコッチの死の原因が降谷さんだってバレてしまう…


まだ彼は自分が原因だと知らない。

そして、知らないままでいないと、物語も狂ってしまう。



とっさに違う言葉を考えるけど、なにもいい案はでてこなくて、やっぱり降谷さんに何もしてあげられない自分にうんざりして涙が溢れてくる。


それにまた、降谷さんが困った表情をみせる。


なにしてんだろう私




「……っ…ごめっ、ごめんなさ「A。もういい。」




そう言った降谷さんの声は決して呆れたような声じゃなくて、優しさでこもっていた。




「もうこれ以上苦しむな。お前はスコッチを助けようとした。……それだけでもう十分だ。」




優しさ言葉を放ちながら、降谷さんは目の前で正座している私の頭を撫でる。

その優しさが私にとってはまた辛い。



「ここが漫画の世界で、Aがトリップしてきたということは、お前にもきっとどうしても言えないことがあるんだろ?」


「…………。」



さすが降谷さんと言うべきか、私の状況を私よりも分かってくれている気がする。




「だからもう俺はあえて聞かないことにする。だけど、1つ約束してくれ。」


「約束…ですか?」




降谷さんはソファから降りて、私と目の高さが会うように床の上に座り込んだ。

約束です。→←説明タイムです。



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(プロフ) - Aliceさん» 誤字の報告ありがとうございます!今訂正致しました!!自分だけでは見つけられない部分もあると思うのですごく助かります。 (2017年4月4日 19時) (レス) id: 9347eda9ce (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 37ページの最初の行も誤字です (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 31ページで、誤字ありましたよ。いちばんばんw (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねぉさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!!頑張ります! (2017年4月3日 14時) (レス) id: a14d757431 (このIDを非表示/違反報告)
ねぉ - 1日ちょっと過ぎてしまったけど、全部読みました!!コナンのトリップの中で1番おもしろかったです!続編楽しみにしてます! (2017年4月3日 1時) (レス) id: cc3a2c5af5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年3月24日 16時

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