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自分のことばかりでした。 ページ18

「……やっぱりっ!!!」




マンションに着いて私の部屋のドアノブを引くとやっぱり鍵が開いていた。

あの日、私は確かに急いでいたけれど鍵はしっかりとした記憶がある。


そのまま、扉を開くとそこには見なれた男性靴があった。

いつもと違って靴は揃えられていない。


それを見た私は靴を脱ぎ捨て、リビングへの扉を開いた。



「ーー降谷さんっ!!!」



リビングには壁にもたれて座り込んでいる降谷さんの姿があった。

そして、私の声に反応して上げられた降谷さんの顔を見て私は絶句した。



「ーーっ。」


「……A?」



見上げられた顔はひどくやつれていて、目の下にはくっきりとひどい隈ができていた。

目は若干虚ろになっていて、それでも私の姿を捉えているのがわかる。



「降谷さん、……なんでここに」


「…………。」



降谷さんは私の質問に何も答えようとしない。

ただただ私を見つめたまま。


そんな降谷さんとまず目線を揃えようと、私は彼の目の前にしゃがみこむ。

それからまた私は降谷さんに問いただす。




「降谷さん…なんで私の家にいーーグイッ



………え?


降谷さんは私の言葉を遮って、降谷さんと同じ目線になろうとしゃがみ込んだ私を強く抱きしめた。


何が起こっているのかさっぱり理解できない。




「ふ、降谷さんっ?」


「……良かった」


「え?どういう…」



私が一言発する度に、降谷さんの腕の力は強くなる。

……まるで私がいるのを確かめるかのように。



「……っ…お前まで俺の前からいなくなるのかとおもったっ……っ」


「………。」



抱きしめられていて、降谷さんの顔は見えないけれど彼が少し泣いていることが分かった。

そんな見たこともないぐらい弱々しい降谷さんの背中に私も手を回した。


それからは何も喋ることなくその状態のままだった。


なんで私は逃げてばかりでこの家に帰ってこなかったのだろう。


彼がこんな状態になることくらい想像できたのに、結局私は自分のことしか考えて無かったんだ。


そして私は、そんな降谷さんを見て、もっと前にトリップしてきたことを言うべきだったとさらに思った。



「……降谷さん。」



私が呼ぶと少し落ち着いたのか離してくれる降谷さん。



「……私、降谷さんに話さなきゃいけない事あるんです。」


「………。」

結局優しいんです。→←お互い振り回してます。



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(プロフ) - Aliceさん» 誤字の報告ありがとうございます!今訂正致しました!!自分だけでは見つけられない部分もあると思うのですごく助かります。 (2017年4月4日 19時) (レス) id: 9347eda9ce (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 37ページの最初の行も誤字です (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 31ページで、誤字ありましたよ。いちばんばんw (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ねぉさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!!頑張ります! (2017年4月3日 14時) (レス) id: a14d757431 (このIDを非表示/違反報告)
ねぉ - 1日ちょっと過ぎてしまったけど、全部読みました!!コナンのトリップの中で1番おもしろかったです!続編楽しみにしてます! (2017年4月3日 1時) (レス) id: cc3a2c5af5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年3月24日 16時

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