【名探偵コナン】トリップしても警察官でした。2

どうすればいいんですか。 ページ12

｢………っ…ううっ…｣


｢A。｣



その場を動けずに数十分ほど座り込んでいた私に声をかけたのは、私を置いて屋上へ行ってしまった降谷さん……ではなく、



｢……っ…あか…いさんっ｣


｢………。｣




赤井さんの罪悪感あふれる目を見て一瞬でわかった。

……スコッチはやはり死んでしまったのだと。



｢……お前がしたかったことは大体わかった。｣


｢……っ…!!｣




赤井さんのセリフからして、やはりスコッチが自決した理由は降谷さんの足音だということが分かり、さらに涙がこぼれる。



｢色々聞きたいことはあるが…ここは危険だ。話をするよりも離れる方が優先だ。｣



そう言って差し伸ばされた手を私はとった。

この場所にいたまま、降谷さんともう1度会ったら今度こそ私は何も言えないと思ったから。



｢この場所まではこのバイクで来たのか｣



ビルの前に止めていた私のバイクを指さした赤井さんに私はこくんと頷く。



｢俺の車が近くに置いてある。それに乗せてやるからそこまで運べるな？｣


｢……っ…はい｣



それからは、何も喋らず赤井さんの車までバイクと共に歩き、バイクを赤井さんの車に乗せてもらいおまけに私まで乗せてくれた。


そして、無言のまま車は発進した。



｢お前は、1人暮らしだと言っていたな。｣



｢……はい。｣



｢……だが、お前は俺が家の前に下ろしたところで今日は家に帰らないつもりだろう ｣


｢…………。｣



｢今日は俺の家にこい。まぁ、家と言っても仮住まいのホテルだが｣


｢…………。｣


｢安心しろ。傷心のやつに手を出そうとは思わない。｣


｢……当たり前です。｣



彼なりに励まそうとしてくれているのだろうか。


でも確かに赤井さんの言う通り私は家に帰るつもりはなかった。

あの家に帰って、もし降谷さんがスコッチのことを聞きに来たら今は何て言えばいいか分からない。


お前が止めなければスコッチは助かっていたかもしれないと言われたら？


お前が止めさえしなければって言われたら？



私はどうすればいい？

全てとはどこまで。(赤井side)→←降谷さんの涙。

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