降谷さんの涙。 ページ11
｢通せ。｣
｢通しません。｣
お互いに譲らない状況が続く。
降谷さんの怖さに怖気づきそうになるけど、ここで通したら後悔するに決まっているから私だって引かない。
｢……こうなったら力ずくでも通らせてもらう。｣
｢……望むところですよ。｣
つまり、戦闘だ。
こうなることは少し想像していたけど…
こんなことしたくなかったな。
そう思いながらも私に向かってくる拳を受け流す。
私も負けじと反撃するけど、エリート降谷さんには全く効かない。
というよりノーダメージだ。
やっぱ同じ警察学校主席でも男と女じゃ差があったかな。
｢お前はっ!!…何で俺をとめるっ!?｣
私に殴りかかりながら喋る降谷さん。
この状況で喋るのはちょっときついぞ。
けど、ある意味こんな状況じゃなきゃ、今の私と降谷さんの関係じゃ冷静に話し合うなんて出来ないのかもしれない。
｢…っ!!あなたをっ…悲しませないためっ!!｣
私はそう言いながら、降谷さんの後ろに回り込んで蹴りを入れようとした。
けど、それもまた呆気なく降谷さんの右腕で止められる。
｢何をいってるんだお前はっ!!!…わけが分からないっ!!!｣
｢…たしかにっ、そうかもしれませんけどっ!!!｣
｢俺はっ!!お前とこんなことしてる暇はないんだよ!!…それにっ!!｣
｢それにっ…なんですかっ!?｣
｢…ほんとはお前にこんなことしたくないんだよっ!!｣
｢え…。｣
私は固まってしまった。
その理由は降谷さんが放った言葉のせいでもあるけど、それよりも驚いたのは…
降谷さんの右目から涙がこぼれていた事だ。
その涙に驚いて固まっているうちに私は鳩尾に1発入れられた。
｢うっ!!!｣
1発で決めるつもりだったのだろう。
かなり強くて痛い。
私はその場に倒れ込む。
しまった。やられた。
｢……悪いな｣
｢ちょっと、待って…｣
うまく声が出せないし動けない。
そんな中精一杯に出した私の止める声は届かず、降谷さんは倒れ込む私に切なげな顔をしてビルの中に入っていった。
それから、数分してビルの屋上で銃声がなった。
｢うぅっ……っ…、わたしっ…なにしてんだろっ…っ｣
座り込んだ私の膝元には大粒の涙がこぼれ落ちた。
何が止めるだ。
なにも出来てないじゃないか。
私は一体何のためにこの世界に来たんだろうっ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1499人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
祐(プロフ) - Aliceさん» 誤字の報告ありがとうございます!今訂正致しました!!自分だけでは見つけられない部分もあると思うのですごく助かります。 (2017年4月4日 19時) (
レス) id: 9347eda9ce (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 37ページの最初の行も誤字です (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 31ページで、誤字ありましたよ。いちばんばんw (2017年4月4日 16時) (レス) id: 1a1e66043f (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - ねぉさん» 嬉しいコメントありがとうございます!!!頑張ります！ (2017年4月3日 14時) (レス) id: a14d757431 (このIDを非表示/違反報告)
ねぉ - 1日ちょっと過ぎてしまったけど、全部読みました！！コナンのトリップの中で1番おもしろかったです！続編楽しみにしてます！ (2017年4月3日 1時) (レス) id: cc3a2c5af5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：祐
| 作成日時：2017年3月24日 16時
