【名探偵コナン】トリップしても警察官でした。

初めましてですよね？ ページ8

｢……あの、これあなたのじゃないんで…!?｣



目の前の降谷零さんは何故かビックリしてる。


え、なんで？




｢……なぜ泣いてるんですか？｣




あぁ、そうか泣いたままだった。



｢あははっ、すみません。ちょっと思い出し泣きってやつです。｣



｢大丈夫ですか？｣



｢はいっ。あ、拾ってくれてありがとうございます。これ大事なものなんです。｣




｢そうでしたか。｣




｢はい、それじゃあ私病室に戻らないといけないので。｣






戻らないといけないのはもちろんだけど、ここで仲良くなってしまっては物語に巻き込まれかねない。


あたしはすぐに立ち去ろうと彼の横を通りすぎ…




ーーグイッ。



｢あの、ちょっとお話しませんか？｣




通り過ぎることはできませんでした。


横を歩いた瞬間掴まれた腕。


え、力強くない？あたしこれでも病人です。





｢けど、あの私さっき1ヵ月ぶりに目覚めてだまって病室抜け出してきちゃって戻らないと看護師さんに怒られちゃうんですよね…あはは｣





最後にあははなんてつけたのは恐さから逃げるため。



病室抜け出したなんて言わなければよかった。

言った瞬間降谷零さんの顔は一気に強ばりました。




｢抜け出したらいけないだろ!!｣




そして怒られました。


あれ？あたしと降谷零さん初めましてですよね？


え？初対面の人に普通こんなに怒れる？


あ、そっかこの世界にふつうなんてものはないよね。


だって、事件現場にふつーに小学生入れちゃうもんね。



うん、この世界でこんなのは普通なんだよねうんうん。





｢はぁ、もう。…ったく。｣



1人で納得しているとため息をついて呆れた顔した降谷零さんがあたしの肩と膝裏に手を当て抱き上げた。


そう。所謂お姫様抱っこ…的な？




｢えっ!!ちょっ!!降ろしてくださいっ!!!｣



｢嫌です。病室を勝手に抜け出したあなたが悪いんだ。｣




え、待って待って。降谷零ってこんな人だった？


安室透はもっと紳士的なのになにこの違い!?



いや、お姫様抱っことかある意味紳士的なんだけど、病院でこれは恥ずかしいから!!!!!

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