【名探偵コナン】トリップしても警察官でした。

あなたを守る ページ44

｢私も好きよ｣


｢え？｣



有希子さんの突然の言葉に私は目を丸くする。



｢カランコエ。花言葉がとっても素敵だものね？｣


｢花言葉？｣


｢あら、知らないの？てっきりそれで好きなのかと思ったんだけど｣




花言葉かぁ。気にしたこともなかった。


カランコエが好きなのは蒼が、私に初めてくれた花だからだったわけで。

どういう花言葉なんだろう？





｢知りたい？カランコエの花言葉。｣


｢知りたい、です。｣


｢カランコエの花言葉はね、“幸福を告げる”、“たくさんの小さな思い出”、“おおらかな心”……そしてあともう1つはね……｣


｢……あともう1つは？｣





｢“あなたを守る”｣





｢……………。｣



｢すっごくロマンチックな花言葉よね♪｣




あなたを、守る…か。


蒼は知ってたのかなこの花言葉。


知ってるはずだよね。蒼はこういうとこ几帳面だし花を買う時に花言葉を気にしていないはずはない。




｢Aちゃん？どうしたの？いきなり暗い顔して…｣


｢………。｣



｢……もしかして、誰かにカランコエの花貰ったの？｣



｢……有希子さん。｣


｢ん？なに？｣


｢……カランコエを、あげた相手が自分を庇って死んでいったら、あげた人はどういう気持ちになるんですかね？｣


｢え？Aちゃん、それってどーゆう…｣




自分でもびっくりするくらい私の声は震えていた。


いきなりこんな声でしかも泣きそうになってる私に目を丸くしてびっくりする有希子さん。


こんな話を有希子さんにしてどうすんの？


なにしてんだ私。



｢……なーんて、ちょっと考えてみただけです!!そんな本気で受け止めないでくださいよっ!!｣


｢で、でもAちゃん今、声がふるえ｢カランコエは私が入院してた時にお父さんが持ってきてくれた花なんですよ。お父さんキザですよね？｣


｢………。そうね、さすが慶都さんね。｣




だいぶ酷いはぐらかし方だったけど、有希子さんは触れたらダメなとこだと理解してくれたのか、それからこの話に触れることはなかった。



そして、私を気づかってか、夕飯を一緒に食べるのはまた今度にしようと言って家に帰してくれた。

久しぶりのヤケ酒です。→←カランコエ。

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