変わったやつ(降谷side) ページ14
降谷side
最初は俺の上司である七瀬理事官に娘の見張りを頼まれたのがきっかけだった。
正直もうすぐ潜入しなければいけないこの時期に面倒くさい事を押し付けられたと思った。
七瀬理事官の娘は前から写真を自慢げに見せられていたから顔は知っていた。
が、実際会ってみると端正な顔立ちで大人びた雰囲気を醸し出していて、見惚れたのは俺の中だけの秘密である。
しかし、Aはよく思いつめた顔をする。
出会った時からそうだった。
最初は記憶喪失だからかと思っていたけれどそれも違うような気がする。
ピンとくる答えが出ない自分にイラつきながら泣きそうになっているAのそばに行った。
「A?どうかしたか?」
とりあえずいきなり悲しい顔をした事情を知ろうと聞いてみたはいいが…
「……え?いや、ただ私こんなマグカップ持ってたんだなぁとおもって。」
Aが手に持っているマグカップは真っ青で綺麗なカップだった。
しかしこの部屋を見る限りAが青を好んでいる様子はないし…
これはたぶんA自身が使ってるものじゃないんだろう。
それにしてもうまくはぐらかされたな。
けど、まだ会ってそんなに立ってない俺にはあまり触れられたくない事情なのかもしれない。
いつか話してくれるのを待つしかないな。
「綺麗なカップだな。」
「うん、そうだね。」
俺に気を使ってか下手くそに笑うAをみて思った。
Aになにかあったら俺が守ってやる。
そう自分に決意してAの頭をクシャクシャと撫でた。
するとポカンと口をあけるA。
さっきまで深刻そうな顔していたのが間抜け顔になったことにすこし笑った。
「A。俺に気を使う必要はないからな」
「え?」
「だから、何かあったらなんでも言えって言ってんの。」
「あ、はい。わかりました。」
……ほんとに分かってるんだか。
そんなことを思っているとまた彼女から予想もしなかった言葉が発せられた。
「……降谷さんはなんだかんだ優しいね。」
「え?」
「まるであいつみたい。」
そういって、マグカップを大事そうに抱えるAをみて直感的にそのマグカップは“あいつ”のもので、そして彼女はその“あいつ”を好きなんだと分かった。
それと同時に俺自身には誰か分からない“あいつ”に小さな嫉妬心が芽生えた
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植田紗弥 - カッコイイです。 (2019年12月16日 20時) (レス) id: 9ef00e0382 (このIDを非表示/違反報告)
友菜(プロフ) - 病人というより怪我人では? (2018年5月3日 19時) (レス) id: de628bc614 (このIDを非表示/違反報告)
ウルフ - まさか、恋人と同じ名前でしたwww (2017年10月7日 13時) (レス) id: 03694dd56f (このIDを非表示/違反報告)
祐(プロフ) - あやなさん» コメントありがとうございます!私の語彙力はとても乏しいのでこういうコメントはすごく助かります!ありがとうございました! (2017年5月2日 21時) (レス) id: 11d1fbb973 (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - はじめまして!零さんかっこよすぎです....!!!あの、プロローグの「お褒めに頂き〜」のところ、「お褒めに預かり」だと思います。もしくは「お褒め頂き」とか。生意気申し訳ありませんm(__)m更新頑張ってくださいね! (2017年5月2日 19時) (レス) id: 810e1796cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:祐 | 作成日時:2017年3月20日 1時