あなたに一目惚れしました ページ10
マネージャーとしての仕事も一段落つき、自分も練習試合の観戦をしようとベンチに腰をおろすと神童くんが化身を出した。
「奏者マエストロ!!」
いつも思うのだが天馬くんも剣城くんも、錦くんも信助くんの化身も、アレはどういう仕組みで発生するのだろうか。当然それを言い出したら必殺技なんてものもどういう原理なのか疑問ではあるのだが。
アニメをよく見ていなかった私は、最初必殺技を目のあたりにして仰天したものだ。
三国先輩のバーニングキャッチや天馬くんのそよかぜステップはまだ納得できる方だった(摩擦とか風力の関係を考えれば納得できないこともない…まだ現実的だ、と)
しかし天城先輩の万里の長城とかはもう現実味があるとか無いとかそんな問題じゃないだろう。
と、最初の頃は過剰に反応していたが、突っ込んだら負けだと感じ深く仕組みを考えることもしなくなった。超次元は無理やり人を納得させる力があるらしい。
それにしてもマエストロは異質だ。
特別格好いい訳でもなく可愛いわけでもなく(神童くんの前で言ったら泣かれそうだ)。
対抗して木戸川の選手(キャプテンマークがある)が神童くんの前に走りこんできた。
「来い、俺の化身!」
この人も化身使いなのか、すごいな…と思った途端、私は息を飲んだ。
「っ!!」
「獣王レオン!!」
少年から伸びる影。それは間違いなく「化身」であることを示している。
しかし、
「可愛いーーーーーっ!!!!」
思わず叫んだ私の声に、「へ?」とその少年は振り返る。
「茜ちゃん、写真!!」
「わかった」
短く、写真をとってくれと頼むと間髪いれずに茜ちゃんから返答が返ってくる。
連続するシャッター音に、アフロディさんがクスッと笑った。
「ああ、貴志部の化身?可愛いよね」
「あんな可愛い動物見たことないです…」
「木戸川サッカー部にくればいつでも見れるよ」
「アフロディ、それは却下だってさっき…
「行きます!!」
「Aェェェェェェ!?!?」
驚愕する守さんを押しのけ、貴志部くん?を見つめる。
彼は未だ酷く落ち着かない様子で私を見ていた。オロオロとしている。
「マ……マエストロおおおおお!!!」
何故か涙目の神童くんが強行突破しようとしていた。
「う、わっ」
「ライオンさんーーー!!!」
「お、俺はどうすればいいんだ…………」
あれ、何で神童くん泣いてるんだろ。
ラッキーアイテム
革ベルト
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キャンプ - 思い出しては読み返す大切な作品です。私事ですが拙作ばかりですが文字書きとして活動しています。想像を文字に起こすことは楽しいです。私も、定期的に読みに来てしまうような誰かの心に残る作品を書けたらと、初心を思い返すような気持ちでここに戻ってきます。 (2022年10月18日 0時) (
レス) id: 0d3ae99a04 (このIDを非表示/違反報告)
鯖 - 小学生のころkurehaさんの小説に出会って、10年以上何度も読み返しています。作品を残しておいてくださって、ありがとうございます。完結していなくても、私の中ではまだこのアリスの世界が続いている気がします。大好きです (2021年3月14日 17時) (レス) id: 5fb21310e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - キャップさん» 私も大学生になりました。もう占いツクールに没頭するような歳ではなく大人になりましたがシエラザートとアリスは今でも大好きな作品です。 (2020年9月17日 14時) (レス) id: 2790829628 (このIDを非表示/違反報告)
キャップ - 菊華さん» 大学生になりました。ふとしたときに思い出して読み返す作品です。ずっと好きです。一年前、残したメッセージがそのままで笑ってしまいました。勝手にお世話になってます。ありがとうございます (2020年7月30日 1時) (レス) id: 0d3ae99a04 (このIDを非表示/違反報告)
キャップ - 今もずっと大好きな作品です。気がつけば五年経っていますが、何度も、楽しく読ませてもらっています。ありがとうございます。 (2019年8月17日 17時) (レス) id: 1d4f5f1e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kureha | 作成日時：2012年7月1日 17時
