狂い咲きヴァイオレット ページ25
熱気からか暑く感じる校内を出ると一気に涼しくなった気がして目を細めた。
「剣城くん、アイスコーヒー飲める？」
「あ、はい。…っていうか自分で出すんでいいですよ」
「そういうと思ったからもう先に買ってきちゃいましたー。はい」
「………どうも」
缶コーヒーを渡して、私も自分の分のコーヒーを開ける。
そういえば私の好みでブラックにしたけど大丈夫だったかな、とちらりと横目で表情を見るも顔色に特に変化はなく。まあ大丈夫かという結論に至った。
「ちょっと疲れたね。やっぱ人ごみはきつい」
「そうですね。結構ここらじゃ有名らしいんで他校からも来てるって話を聞きました」
「そーいえばさっきから他校の制服の子よく見るねー。あの紫のブレザーの人たちとか。珍しくない？」
「紫のブレザー…？」
視界の端に映った紫色のズボンとネクタイをした男の子の集団を指し、同意を求めてみる。紫の制服なんて珍しい。雷門の制服ってシンプルだから羨ましいなー、と呟いたあと、剣城くんがその人たちを見て固まったのに気づいた。
「どうしたの？」
「磯崎……」
「え、なに知り合い？」
「……先輩、行きましょう。向こう側に休憩所ありますよね？」
「え、あの人たちのとこと逆方向じゃね？」
「立てますか？」
「あ、ごめん手ありがと。…いや違うんだよ、違わないけど。いいの？あの人たち」
手を差し出され、起こされた私は何故か関わりたくない、と言いたげに苦虫を潰したような表情をする剣城くんに念のため聞いてみる。いや別に私はいいんだけど。
すると剣城くんの努力も虚しく、そのなかの一人と目が合った。……あ。
その人は私のすぐ隣にいる剣城くんに気づくと不敵な笑みを浮かべて近づいてくる。その横の2人も様子に気づき、あ、という表情をするとこちらに向かって歩いてきた。
「女連れて歩いてるなんて珍しいじゃねーか、剣城」
「……奇遇だな」
「あはは剣城！剣城じゃんあははははははは！！」
「久しぶりだな、その女の子どうしたの？」
エメラルドグリーンの綺麗な髪をした1人の男の子が、私を指して剣城くんに尋ねた。
何やら不穏な印象の3人に囲まれ、少々怯む。おお、なんか威圧感半端ない。
「…サッカー部の先輩だ」
「先輩？前戦ったときいた？」
「あはは！年上？ねえ何年？」
「え、っと2年ですけど」
「俺と同じー！！俺もね、2年！」
隣では剣城くんが心底面倒そうな顔をしていた。
歳差とは実に不憫なもの、でしょ→←死んだ目の君の背中に苦笑う
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革ベルト
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キャンプ - 思い出しては読み返す大切な作品です。私事ですが拙作ばかりですが文字書きとして活動しています。想像を文字に起こすことは楽しいです。私も、定期的に読みに来てしまうような誰かの心に残る作品を書けたらと、初心を思い返すような気持ちでここに戻ってきます。 (2022年10月18日 0時) (
レス) id: 0d3ae99a04 (このIDを非表示/違反報告)
鯖 - 小学生のころkurehaさんの小説に出会って、10年以上何度も読み返しています。作品を残しておいてくださって、ありがとうございます。完結していなくても、私の中ではまだこのアリスの世界が続いている気がします。大好きです (2021年3月14日 17時) (レス) id: 5fb21310e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - キャップさん» 私も大学生になりました。もう占いツクールに没頭するような歳ではなく大人になりましたがシエラザートとアリスは今でも大好きな作品です。 (2020年9月17日 14時) (レス) id: 2790829628 (このIDを非表示/違反報告)
キャップ - 菊華さん» 大学生になりました。ふとしたときに思い出して読み返す作品です。ずっと好きです。一年前、残したメッセージがそのままで笑ってしまいました。勝手にお世話になってます。ありがとうございます (2020年7月30日 1時) (レス) id: 0d3ae99a04 (このIDを非表示/違反報告)
キャップ - 今もずっと大好きな作品です。気がつけば五年経っていますが、何度も、楽しく読ませてもらっています。ありがとうございます。 (2019年8月17日 17時) (レス) id: 1d4f5f1e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kureha | 作成日時：2012年7月1日 17時
