策七 ページ5
結局あの後オビさんはベッドに倒れ、流石に心配(主に寝床の確保)になり叩き起こしたが、うんともすんとも言わず泥のように眠っていた。彼と同じベッドで寝るのも悪くはないが、朝起きた時彼からの報復が怖いのでしない。
仕方なく備え付けのソファで寝る。明日は体がバキバキだ。
▽△
「あーよく寝た」
「…そいつぁ良かったですね」
どうでも良いけど、いや私は良くないけどお前良い年頃の女性の部屋に、しかも自分はベッドで寝たんだぞ？なんかないのかよ。まあ、だけど私に対するオビさんの態度じゃそんなこと期待するだけ無駄で。
体痛そうだね、大丈夫？だなんて白々しく訊いてくる彼に殺意が湧く。だけどやけにスッキリした顔で言われるからまあしょうがないか、と許してしまうのは所謂惚れた弱みとかいうやつか。
彼がいない間、白雪は薬草の文献のついでにそういう恋愛ノウハウ的な文献も探してくれていたようで、一緒に考えてくれたお陰で策は色々とある。…ただ、それが実行に移せるかどうかってなると少し躊躇はする内容もあったりした。でも折角の友人の好意だ、無駄にするわけにはいかないな。
今日試すのは早速白雪からの提案された方法。どうやらその文献には「相手の動作をさり気なく真似すると同調効果が生まれ、信頼関係を築きやすくなる」…というものだった。自分の好きな人とは行動が似るとかそういう感じだろうか。それを逆算した結果がこの方法…理屈は分かるが私がオビさんと同じ動きなんて出来るだろうか？
特訓中はまず無理だ。彼はあまりにも身軽すぎて私の重たい体じゃとても真似できない。…技を盗むのは出来るだろうけど。今度盗んでやろ、と企んでいると彼が急にこちらを向いて旅での出来事を口にした。
「そういえば任務の途中さ、木々嬢がこうやって首傾げてたんだけど。それがすっごく可愛くて…………ってなにしてんの」
「え？……あ」
頭の中で同じ真似、と繰り返していたら洗脳されて反射のように彼と同じ方向に首を傾げていた。小首を傾げる、とでもいうのだろうか。可愛い子がやったら破壊力満点なそれは私には相乗効果なく、オビさんに不審な目線を浴びせられるだけに終わった。
「別にアンタがやってもそこまでだね」
「ちょっと待っ、ぃででででででッ痛いって！！！」
首を傾げた方向に更に首を曲げられる。フラミンゴじゃないんだからそんな曲がらんわ！首の筋が伸びそうになる感覚に恐怖しながらその手を振り切った。
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紗夜(プロフ) - 何回も読んで、もう文章覚えてきたけど、大好き。 (2020年1月3日 1時) (
レス) id: 17bb863b6a (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - Hinanoさん» こちらこそコメントありがとうございます！！！キュンキュンして頂けたでしょうか！？そう言って頂けて嬉しい限りです...ぜひとも続編もよろしくお願いします！ (2019年7月30日 13時) (レス) id: d10d29f4b8 (このIDを非表示/違反報告)
Hinano(プロフ) - 本当に本当に本当に素敵なお話でした…吹き出しちゃうくらい面白くて、でもきゅんきゅんして…素敵な時間をどうもありがとうございました！ (2018年6月25日 7時) (レス) id: 853b5b9878 (このIDを非表示/違反報告)
フルリ(プロフ) - ちぎょさん» ちぎょさん、コメントありがとうございます！割と本気で泣きそうになりました！笑私も赤髪のキャラ皆好きで、個性を大切にしたいと思っていたので、そう言って頂けて本当に嬉しいです。こちらこそ、沢山のお言葉にとても励まされました！リクエスト、待っています！笑 (2018年4月29日 19時) (レス) id: b6276197f5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぎょ(プロフ) - すみませんふざけましたが本当に。直接伝えたいなあ、こんなに素晴らしいお話を書いてくれてありがとうございました！！続編のリクエスト、ちょっとじっくり考えます笑。長々とすみませんでした。 (2018年4月29日 13時) (レス) id: 2a62607b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：フルリ | 作成日時：2018年4月16日 9時
