43 ページ47
「A、泣かないで欲しいノ、1人じゃないノ」
涙が止まらない私を必死に励まそうとしてくれるフェル。
それが少しだけ私を安心させる。
フェルがいなかったら、私はどうなっていたのだろう。
「…フェル……ありがとう｣
「……いいの、Aを1人で行かせたくなかったノ」
「ん……みんな、心配してるかな」
「きっとしてるノ！みんなAが大好きなノ」
「そうかな、だって私はただの居候で、イブでもないんだよ？今ルキくんたちにはイブがいるんだし、私がいなくても……っ！」
突然、何かに包まれた。
あたたかいとは言えない、大きな何かに。
後ろからで顔は見えない。
けれど、人であることは分かって、私を抱きしめる腕をそっと見る。
その腕は、この世界に来てから、もう何度も見た人の腕。
「……ルキくん？」
「お前は…こんな所で何をしてるんだ！夜の森など危険な場所に入って死にたいのか！？」
「…っ…ごめん、なさい」
「お前がいなくて気づかないやつが俺達の中にいるわけがないだろう。お前が居なくなれば誰かしら気づく。いなくていいわけがないだろう」
珍しく怒鳴ったり、かと思えば弱々しかったり…。
普段は見れないルキくんだった。
息も切れてて、そんなに探してくれてたのかと思うと、凄く、申し訳なくて、嬉しくて…いろんな感情が混ざって涙がまた出てきた。
フェルが不安そうに私を見上げているから、ぎゅっと抱きしめてあげた。
「私…ルキくんがああなるって知ってたのに、わかってたはずなのに、何も出来なかった…それが悔しくて…みんながすれ違うの見てるの辛くて…苦しかった…！みんなに笑ってて欲しくて、あの毎日を壊したくなかったのに！なのに…なにも…出来なかった…！」
「…すまない、周りが見えていなかったな。アダムになろうと足掻いて…足掻きすぎていた」
「焦らないでよ…壊れないでよ…私をまた……1人に、しないで」
一人が怖い。
人の温かさを知ってしまった私には、ひとりは恐怖でしかない。
孤独が怖い…。
「Aを一人にはしない。俺もコウたちもいる」
ルキくんがそう言ってくれたのをスイッチに、私は散々泣き喚いた。
久しぶりにこんなに泣いたと思う。
屋敷に戻るとみんな心配してくれてて、ユイちゃんなんか泣きそうで、アズサくんは珍しく怒って、コウくんは半泣きで、ユーマくんはすっごい心配って顔してた。
私の不安なんて、全然必要なかったって思えた。
やっぱり、ここが大好きだ。
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
ラッキーヴァンパイア
無神ルキ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 490人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
梔子(プロフ) - わらわらさん» コメントありがとうございます。行き詰まってしまっているのでたまに読み返してしっちゃかめっちゃかしてるなとはおもいます。笑 ただ、書き直すとかなり内容が変わってしまうのでもし読み進めていただけるのであればこのまま読んで頂けたらと思います (2019年1月8日 10時) (
レス) id: f650fd1707 (このIDを非表示/違反報告)
梔子(プロフ) - れんすけさん» 返信遅れてすみません！もう少し文字数減らして読みやすい感覚にできるようにしてみます(汗) (2019年1月8日 10時) (レス) id: f650fd1707 (このIDを非表示/違反報告)
わらわら - 主人公イキり過ぎでしょw (2019年1月8日 10時) (レス) id: 091d3f1fea (このIDを非表示/違反報告)
れんすけ - 字が詰まってて読みづらいです… (2018年3月12日 15時) (レス) id: 4bd8d4113b (このIDを非表示/違反報告)
汐子 - まって苗字一緒www 宮野ww宮野ww (2016年10月23日 3時) (レス) id: 693e560875 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梔子 | 作成日時：2016年5月5日 16時
