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宏太side





雄也のこと、知ってるようで知らなかったのは
きっと…俺の方。




雄也の顔立ちを見ても分かった。

雄也、大人になったんだなって。





それぐらい、時間が経ってたんだ。





俺……いつまで兄貴のカオしてあいつ
縛ろうとしてるんだろう。





親父に言われたからって
きっとそれだけじゃない。





宏「俺……」





憧れてたんだ、雄也に。





父親の顔色伺って、少しでも"いい息子"を
演じようと必死だったあの頃からずっと。




その気持ちが大きくなりすぎて、
いつしか自分を見失ってた。






宏「雄也には、辛いときに支えてくれる
仲間が近くにいる?」





雄「…うん、いるよ。いっぱい」





宏「そんじゃ、いいや!

弟の幸せ尊重出来ないなんて、
そんなの兄貴失格だな笑」





雄「宏太…」





宏「部屋であの人待ってんだろ?

もう、戻れ」





雄「……」





宏「じゃーね。身体、気ぃつけろよ」





雄「宏太もね」





宏「ん笑」






──カラン。





やっと心からあいつと向き合えた気がした。

雄也、ちゃんと自分の居場所見つけてるんだよ。





俺も…頑張らなきゃ。





雄也とは違う形の居場所をちゃんと
見つけられるように。





宏「…あ、」





キラリ。




夜空に一つの流れ星が
誰かの願いを集めて流れていった。




.

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作者名:Jasper | 作成日時:2018年1月27日 9時

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