Op.6-9 ページ34
子供達と話している間に蘭ちゃん達が電話を終え戻ってきた。
事件があったのは本当らしく、毛利小五郎も乗り合わせているということで駅に止まらずそのまま名古屋を目指すそうだ。
まさかとは思ったが、本当に殺人列車に乗り合わせてしまうなんて…………。別に知り合いが死んだ訳ではないので悲しくもなんともないが、死体が何処かにあると思うと少し気味が悪い。
「A先生、よかったら私達の部屋来ませんか?子供達とも知り合いみたいですし…………」
「そうね!折角だしガキンチョ達の相手、してもらいましょ!」
蘭ちゃんと園子ちゃんがそう提案した。
「歩美もAお姉さんと一緒がいい!」
「僕もお話したいです!」
「好きな食べ物とか聞きてーしな!」
子供達も割と乗り気だ。
部屋に戻っても1人。また退屈な時間になってしまう。
「それじゃあ…………お言葉に甘えようかな」
こうして、私は蘭ちゃん達の部屋にお邪魔することとなった。
彼女達の部屋の前に着き、貴重品を部屋に置きっ放しだったことに気づく。
隣にいた蘭ちゃんに「荷物、取ってくるね」と耳打ちし、私は一旦自分の部屋に戻った。
♦
「財布と…………スマホ………………よし!」
部屋に戻り、自分のバックに貴重品が入っている事を確認する。
荷物を全て持ち、彼女達の部屋に戻ろうと扉の取っ手に手をかけた。
その時、ふと安室透とのやりとりを思い出し立ち止まる。そしてなんとなくスマホに手を伸ばした。
「懐かしい……………………」
自然と顔を綻ばせながら、そう呟いた。
スマホに映っているのは、降谷くんがパフェを食べてる写真。
これはお互い高校生だった時。2人で街中を歩いていたら、カップルイベント中のパフェ屋さんに声をかけられた。流れでお店に入り、向かい側に座った降谷くんを私がスマホで撮ったのだ。
画面をスクロールする。
これは私が高3の時だったかな。
体育祭のリレーメンバーに選ばれて、降谷くんとひろくんに特訓を申し込んだのだ。2人とも最初は優しかったがどんどん熱が入ってしまい私は途中でリタイア。結局降谷くんvsひろくんの戦いになり、審判として私がゴール付近で動画を撮っていた。
いろいろやってたんだなぁ。
幼馴染との思い出が夢ではない、そのことをスマホが画面越しに教えてくれる。
降谷くんが安室透になってしまった今、この写真達は私の大切な宝物なのかもしれない。
しばらくスマホを眺めていると、1つの写真が目に入った。
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夜空 -Night Sky-(プロフ) - 8号車に近づくな...怒られる原因増えたよ() (2020年7月5日 18時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - ぺんとのーとさん» はい!楽しみにしてます!!! (2020年6月26日 22時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんとのーと(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» いつもコメントありがとうございます!私も書いてて切なくなりました……物語もそろそろ本格的に動きだすと思うので是非お楽しみください! (2020年6月26日 19時) (レス) id: cb2d29bece (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - みんな居ないんだよぉおおおお(泣) (2020年6月26日 8時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんとのーと(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます。訂正させていただきました。 (2020年5月31日 18時) (レス) id: cb2d29bece (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺんとのーと | 作成日時:2020年5月13日 17時