検索窓
今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:282,878 hit

Op.5-4 ページ24

「私は天宮A。帝丹高校で音楽を教えてるの。よろしくね」

みんなの顔と名前を確認しつつ、私も自己紹介をした。

「先生だったんですね」
「そーだよな!こんな美人の姉ちゃんが泥棒のはずないもんな!」

光彦君と元太君が納得したように言った。
しかし1名、腑に落ちていない様子の子がいる。

「Aさんと前にどこかで会った?見たことあるような気がするんだけど………………」

さすがコナン君。感が鋭い。
恐らく『Rei』の演奏をテレビか何かで見たのだろう。

「会ったことは、ないよ」

悩んでいるコナン君が面白かったので、含みのある笑顔をしてみせる。案の定、彼は「思い出せねぇ」と頭を抱えていた。

しばらくそんなコナン君を見てニヤニヤしていると、彼はムッとした表情をして口を開いた。

「そういえばさー、Aお姉さんはどうして安室さんのこと見てたの?ねぇどうして?」

推理中の真剣な表情とは打って変わって、わざとらしい笑顔で聞いてくる。

「そ、それは………………………………」

かわいげがない子供と思いながら、私は言葉を詰まらせた。失恋しかけて復讐心を燃やしていました、なんて口が裂けても言えない。

「僕も気になります!そんなに毎日来るなら直接会えばいいのでは?」
「もしかして姉ちゃん、安室の兄ちゃんに一目惚れでもしちまったんじゃねーか?」
「えぇ!?そうなの?歩美も知りたーい!」

追い討ちをかけるように、目をキラキラさせ子供達が詰め寄ってきた。
私は逃げるように後ずさりをする。

「べ、別に、大した理由はな……」

そこまで言いかけた時、背中にトンと何かが当たった。どうやら人にぶつかってしまったようだ。

「すみませ……………………あ」
「Aさんじゃないですか。僕がどうかしました?」






最悪だ。
何故本人が此処に。


私が謝罪をしようと振り返ると、今最も会いたくないランキング堂々1位の安室透がニコニコしながら立っていた。
手にスーパーの袋を持っているので、買い出しにでも行っていたのだろう。

焦って子供達の方に視線を移す。
彼らは悪戯っぽい笑みを浮かべ、私達の様子を伺っていた。



…………………この子達、わざとだ。

きっと私の後ろに彼がいると分かっていて、私を後ずさりするよう仕向けたのだ。

少年探偵団って、恐ろしい。

Op.5-5→←Op.5-3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (214 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
347人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夜空 -Night Sky-(プロフ) - 8号車に近づくな...怒られる原因増えたよ() (2020年7月5日 18時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - ぺんとのーとさん» はい!楽しみにしてます!!! (2020年6月26日 22時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんとのーと(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» いつもコメントありがとうございます!私も書いてて切なくなりました……物語もそろそろ本格的に動きだすと思うので是非お楽しみください! (2020年6月26日 19時) (レス) id: cb2d29bece (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - みんな居ないんだよぉおおおお(泣) (2020年6月26日 8時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんとのーと(プロフ) - 明里香さん» ありがとうございます。訂正させていただきました。 (2020年5月31日 18時) (レス) id: cb2d29bece (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぺんとのーと | 作成日時:2020年5月13日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。