病み 歌い手さん 拾いました Part3

97回目 ページ9

貴方side




最後の皆にしたお願いのせいで、ずいぶん帰りが遅くなってしまった…





ガチャ…





『ただいま〜』





って、こんな遅くに起きてるわけ…





ま「おかえりなさい」


『え！真冬さんまだ起きてたんですか!?もう夜中の2時ですよ!?』


ま「えへへ…」





ああ！もう何！？この可愛いイケメンは！！





ま「ご飯は外で食べましたよね？お風呂、沸いてますよ。入ってくださいね」


『あ…はい』





真冬さん…まるで新婚夫婦の妻みたいだな
いいお嫁さんになれるよ…うん





ま「…今、変なこと考えました？」


『い、いえ！何も？！』





するどい…


ん？





『あれ？掃除してくれました？いつもより家がキレイ…』


ま「あ、はい。やることないし暇だったんで」





有能すぎる…





ま「Aさんの部屋は、自分で掃除してくださいね？」


『うっ…はい…』





真冬さんが私の家に住むことになったとき決めた、唯一のルール…

それが「お互いの部屋へは入らないこと」

これは、私の秘密を守るためのルールだ




秘密…秘密か…
真冬さんは秘密を明かしてくれたのに…私は…





『私…真冬さんに助けてもらってばかりですね』


ま「Aさん…？」





ふと思う
もし、真冬さんが元の生活を取り戻したとしたら…
そこに私はもう必要ない

元々、真冬さんが死ぬのを止めるために、私が真冬さんをここに縛りつけた…
でも、もう今の真冬さんは、死のうとすることはない…と思う





『…真冬さん』


ま「はい？」


『もう…』


ま「もう…？」





……





『いや…なんでもないです！忘れてください！』


ま「…？」





私は、真冬さんに助けてもらってばかりで…
そのくせ自分の都合を押し付けて…
隠し事をして…

こんなんで…私は貴方のそばにいる資格はありますか…

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