病み 歌い手さん 拾いました Part3

108回目 ページ20

まふまふside





Aさんのおかげで、何の不安もなくボタンを押せた

そして、次に流れてくる音声に、身構える


Aさんは、ああ言ってくれたけど、やっぱり怖がってる自分がいる

…でも、そんな自分も、少しだけ許してやろうという気になれた


少しノイズ気味に、志麻くんの声が流れ出した






志《…録音って言っても緊張するなー》


lu《これって噛んだりしたら撮り直せるの？》


貴《ムリ！残量が残りわずか！》


セ《消せよ！》


貴《ダメだよー！仕事の録音とかも入ってるし…》


志《なんでそんな重大な物をここで使おうとしたん…？》


セ《もーー………あれ、なるせ、なんで録音機持って…これもう録音してるん！？》


な《入ってるぞ〜》


志《先に言ってや……え、どこから入ってた？撮り直してもいい？》


な《残り三分〜》


セ《ああ！もう！当たって砕けろ！まふくん！聞いてる！？》




ま「！！」






びっくりした…

でも、さっきまで、昔のような皆のやり取りを聞いて、緊張がほぐれたのは確かだ

変わってないな…皆






志《まふくん、俺たちがしたこと…謝っても謝りきれへん》




ま「そんな…志麻くんたちは何も悪く…」

『まあまあ、真冬さん、黙って聞いて上げてくださいよ』

ま「…はい」




セ《でもな、俺たち、これだけは言わせてほしい》


lu《はい、せーのっ》


《《まふくん、誕生日おめでとう！！！》》





…！！





志《もう5ヶ月近く経っちゃったんやけどな…》


セ《まふくんが帰っちゃったあの日、俺ら誕生日サプライズ考えてたんよ！》


lu《結構なドッキリだったから、誤解させたかも…》


セ《luz！それは言わん方がいいって！ケーキ顔面にぶつけるドッキリとか…………あ》


志《お前がバラしてどうすんだよ！》





コント見たいな会話に、思わず笑みがこぼれた

隣でクスクスとAさんも笑っている






志《あーー………えっと、な…
すぐ誤解とかずに、まふくんのこと傷つけたままで…本当にごめん！！》


セ《そらるさんたちの話、後から聞いて…混乱して…
って、こんなの言い訳にしかならんな。1番辛いのはまふくんで…だから、ホンマにごめん！！》


luz《正直、あの後みんなとも連絡とるのが怖くなってた…まふくんに、誤解解くことも…怖くて。それで…えっと…とにかく、ごめん》






皆…

今までの自分がバカみたいだ

傷ついてたのは僕だけじゃないのに…

皆が謝ることじゃないのに…

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