病み 歌い手さん 拾いました Part3

102回目 ページ14

貴方side






な「で、どうした？」


『えっと…ね』





あれから「すぐ会おう」ってことで…
今は公共のカフェ
なるせちゃんと向かい合わせで座っている






『やっぱり…何でもない』


な「何でもなくて、電話はしないと思うけど？」


『あ、あれは…何と言うか…』






自分でもよく分かってない
私は…何んで、なるせちゃんと話したいと思ったんだろう






『私…皆に気、使わせてるよね…？』


な「…」


『ごめん、呼び出しといて…こんなこと言って』






何したいんだろな…私






『本当は…志麻くんとluzくんに、真っ先に言わないといけないことがあるんだ』


な「……」


『…でも、真冬さんの事情に深く関わってるくせに、隠し事してる自分が嫌で…』


な「…」


『なんか…色々ぐちゃぐちゃになって…気がついたらなるせちゃんに掛けてた……ごめん』


な「…そう」






なるせちゃんにこんな話しても、困らせるだけなのに…






な「ま、何となくこうなる気はしてたよ？まさか頼ってくれるとは思わなかったけど」


『…へ？』


な「あの日からA、変だったもんなー」


『あ、あの日…ってどの日？』


な「たぶん皆気づいてるよ？A、顔に出やすいし」


『な！』






何の話を…？
顔に出やすいのは知ってたけど…

皆気づいてるって、何を？







な「まず、1人で抱え込みすぎ」


『そんなことは…』


な「アンド、自覚がない」


『う"…』


な「他人のことはすぐ気がつくくせに、自分のことは見向きもしない」


『さっきから言葉にトゲがあるんですけど？！』


な「ま、そんな所に引かれて、俺たちはお前を信じてるわけだけど」


『！！』






口説き文句をサラリと…
これだからイケメンは！絶対恋愛に苦労したことないだろ！！


…でも






『…ありがとう、なるせちゃん』


な「ん？」


『私…ね、真冬さんの側にいるのが怖くなったんだ…』


な「…」







本当は、この話を真っ先にしないといけないのは…
志麻くんとluzくんなんだけど…







『本当の私を隠してるくせに、真冬さんの側にいていいのかなって…』


な「…」


『…でも、なんか吹っ切れた！バカってこんな時いいよね』


な「ふーん……(ま、後はまふくんに任せるかな)」


『ありがとね！なるせちゃん！』


な「！……うん(これだから、天然は困るんだけどな…)」

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