第７０話 天side ページ23
ー天sideー
さっき終わったAさんの撮影･･･
正直に言って、色んな意味で辛かった
両隣にいる楽と龍も辛そう･･･
それはそうだよね、好きな人のあんな姿見て、誘惑されても手を出せない、耐えなきゃいけない、だから耐えるのに精一杯だ･･･
なのにAさんは平然とやってみせた･･･
あぁ、なんて不平等なんだろう･･･
僕たちばっかりAさんを好きで、好きだから反応してしまうこの心と身体･･･
僕たちのソロ撮影が終わったら僕たちはAさんに直接誘惑される･･･
そう思うと高揚感と不安が一緒に来る
「じゃあ九条くんから行くから！準備しといて！」
天「っ！？、はい」
まずい、今は自分の仕事に集中しないと
「天様」
天「！？、誠也さん･･･」
ってことは
誠也「お嬢様は来ません、皆様が集中できないでしょう、わかりますよ気持ちは｣
楽「誠也さん、あんたは･･･」
龍「辛くないんですか･･･？」
誠也「辛いですよ、ですがもっと辛いのはお嬢様です、お嬢様はグラビアモデルではありませんよ」
楽｢それはわかる、けどどういうことだ･･･？」
誠也「･･･好きでもない男を誘惑するという事はお嬢様にとってどういうことだとお思いで？｣
「「「っ！！！」」」
そうだ、僕たちより辛いのはAさんだ
僕たちは男で上は裸でも出れる、けどAさんは女性だ
どちらも隠さなきゃいけない、下着姿なんて耐えがたいのにそれを我慢した･･･
誠也「お分かりいただけたようで。なのであなた方の気持ちだけでお嬢様を責めないで下さい
だからお前らには話せないんだ」
っ！！
「九条さん！お願いします！」
天「っ、はい」
誠也「では私は戻ります」
天「待ってっ！」
誠也「！？」
驚いた顔しながら振り向いた誠也さんに僕は
天「ありがとうございます」
誠也「！、、これはAのためだ、勘違いするな」
そう言ってスタジオを出ていった誠也さん･･･
例え一番の理由がAさんの為でも、それを僕たちに教えてくれたのは事実
ありがとう、僕も全力でやるから
そしたらAさん、貴女を迎えに行くから･･･
待っててね･･･
ー天side終ー
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作者名：さっちゃん | 作成日時：2017年1月12日 18時
