冴えない俺の止められないこの気持ち。4 赤×橙

幸せのカタチ。 すば る 10 ページ35

さっきの丸可愛かったなぁ…

頭を洗いながらそんなことを思う。
いつからこんなに丸のこと好きになったんやろ。
昔から気の合う奴ではあった。
それが丸から毎日のように好きやって求愛されて、初めはそれは冗談であって、丸がじゃれてるだけやと思って「触るな」「うっとおしい」だの払い除けてたけど、気付いたら、俺もそういう感情を抱えてた。

それまでは確実に俺は女が好きで、男なんてって思ってたけど、丸を好きになって丸のこと見てたら、ええとこも可愛いとこもいっぱいあって、もちろん男前やなって思う時もあるけど、俺にはすこぶる可愛くて、ふにゃふにゃしてる顔とか、みんなにいじられて拗ねてるとことか、抱きしめたくてしゃあないくらい可愛い。
こうして一緒におればおる程、あいつの事でいっぱいになって、どんどん丸に溺れていってる気がする。
会われへんかったら狂いそうな夜。
こうして勝手に来てしまう身勝手な行動に駆り立てる衝動。
全てが丸の魅力にどハマりしたせいや。

頭からシャワーを浴びながら、両手で顔を覆った。
あぁ…好き過ぎる……
好き過ぎてどうしようもないこの気持ちを抑えることが出来ず、顔を覆ったまま頭を左右に振った。
洗髪されてる犬みたいにお湯が飛び散った。

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