今日から始まる。5 黒×紫

安side 227 ページ29

熱があるから水分は摂って貰わな脱水症状を起こすかもしれへん。
大倉は、食べれてない信ちゃんに飲ませるのに、毎日野菜ジュースやらスープやら、栄養も計算した上で、日替わりで俺らに持たせていた。
熱が下がらへんからと、今日はビタミンを採らせようとレモネードにしたらしい。

大倉ってほんまええ奥さんになるよなぁ………

いや…旦那さんやな

男前やし、大倉と結婚した相手は幸せになると思うわ。



「飲めた？」



小さく頷いて口からストローを出した。
久しぶりに会う信ちゃんは痩せた気がする。
しんどいんやろうな……



「なんかあったら言うてな、まだもうちょっと居れるから」



コップをベッドサイドに置いて、そばにあった椅子をベッドの近くに寄せて座った。
だからといって何かをしてあげられるわけではない。
続く高熱を下げる為に病院で処方された薬だけでええんやろうか。


それに信ちゃんは、脳が損傷している為に、別の薬も飲まなあかん。
飲み合わせは大丈夫なんやろか。

まさか…前の事故の後遺症とかじゃないよな。
もうあれから数年経って今更やもんな…
俺らのことも覚えてくれてるし、仕事もこなせてる。
いや…大丈夫やろ……

つい色んなことが、頭を過ぎる。

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