今日から始まる。5 黒×紫

大倉side 220 ページ22

「ちゃう……あ、あかん……トイレや……」



すぐ気付いたけども、足取りは重く、フラフラとトイレに向かった。


あんな丸の言葉聞いてもうたら、もうトイレどころちゃうわ……

頭の中を丸のさっきの声が何度も回って、急に体に漬物石でも乗っかったか、それとも何かに取り憑かれたのかってくらい、重く感じられてた。

トイレを済ませて、重い体のせいで倒れ込むようにベッドに入ったけども、考えすぎて寝るどころか、目が覚めてしまった。

丸の相手………

今までそんな素振りなかったやんか。


毎日会うのに、全然気付かんかった。
もし、彼女がおるなら、例えばさ、電話してるとこに遭遇したり、メールしてるとこ見たりするやん。
そんなん1つもなかったやん。

今までの丸の行動を思い出す。
間違いなく俺の前では、そんな人が居る素振りはなかった。

なんなら安と仲良かったから、安のこと…………



「てことは、好きなんは安じゃないってこと………やんな」



今まで仲のいい2人を見ていただけに、俺の中で丸は安が好きなのかもしれへんと疑っていた。

でも、それはさっきの電話でＮＯだとわかった。


じゃあ！！一体誰やねん！！
丸が好きなん誰？！


何度も何度もさっきの会話を思い出しては、丸の相手が誰かと想像して………結局そのまま一睡も出来ずに朝を迎えた。

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