脈なし ページ1
パシャ
「…げっ」
国「うおっやばっ！ごめんごめん！」
冷たい、
倒れ込んだ反動で、国崎さんの持っていたビールが
私の顔めがけて降ってきて
慌てて拭く物を取りに行く国崎さん
「いって〜」
まばたきした反動で、目に入ったビールが染みた
国「いってぇよな〜、ごめんねちょっと待ってね」
申し訳なさそうな国崎さんの声に
起き上がろうともぞもぞ動くと
国「だめだめ、動いたらシーツに垂れるで」
そ、そんなに私濡れてる？
急に恥ずかしくなって、濡れた顔をぺたぺた触ると
あの独特な匂いがいつもよりきつく感じた
国崎さんはきっと
さっき私が何を言おうとしたか、分かってた
それでも遮られたってことは
理由なんて普通に考えて
…脈なし？
嫌になるくらい無気質で真っ白な天井を見上げながら
勝手に想像して、勝手に傷ついた
さっきのことなんて、無かったみたいに
ティッシュ1箱まるごと持ってきた国崎さんは
国「はーい拭きますねー」
痒いとこ無いですか〜とか言いながら
それはもう優しく、そーっと撫でるように
ほっぺたから拭き始めた
「…国崎さん？」
国「はぇ？」
「これは、どういう？」
国「え？どうって、きれいにしてます」
「いいです！！自分で出来ます！」
続けようとする国崎さんの手から
ティッシュを奪おうとしても
反射神経が良すぎる国崎さんは、一瞬で
私の手の届かない所までティッシュを遠ざけて
国「ほれほれ、届くまでやるぞ〜？」
いじわるな顔して、弄んでくるから
「国崎さんの悪魔！もういいです」
そう拗ねると、んは！怒った〜！
なんて、ものすごく満足そうにケラケラ笑う
国「汚した人が片付ける、だからきれいにするのは俺」
そう言ってまた、首元を拭き始めた
…そういう問題ではない
どう考えたっておかしい
仰向けの女性と、隣に腰掛けてそれを拭く男性
国「もう介護やんこれ」
「同じこと考えてました、笑」
そんなゆるい会話で、ふふふって笑いあった
ティッシュ越しなのに
触れられた所が一つ一つ、じわっと熱を帯びていく
…あかん、胸が苦しい
近すぎる距離のせいで
もちろん目なんて見れるわけなくて
国「お姉さん〜もう終わりますからね〜」
まだ、終わらないで、
国「はい！おまちどお！」
「国崎さん」
国「ん？」
脈がなくても、今はそれでも良いから
ただもう少し、一緒に居たくて
「…泊まっていきます？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 170人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おぜち(プロフ) - 月見。さん» いつもありがとうございます〜( ；∀；)なかなか更新出来ず申し訳ない限りでした😱わわ！入試頑張ってください！💡無事終われるよう、私もささやかですが祈っています。また寒さもぶり返してきたので、お体ご自愛くださいね☺️ (3月3日 19時) (
レス) id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
月見。(プロフ) - お久しぶりです😊前回のコメントから日が空いてしまいましたが、まだまだ作品のファンです😊個人的な話になりますが、もうすぐ入試があるので、更新を楽しみに待ちながら、勉強も頑張ります💪お身体には気をつけてください🙇♀️ (3月3日 0時) (レス) id: fc262df535 (このIDを非表示/違反報告)
おぜち(プロフ) - 翠川さん» ご覧頂き有難うございます〜😭すごく嬉しいお言葉まで…！😱こういうこと言いそう〜！みたいな国崎さんを詰めましたので、通ずるところがあれば幸いです…！更新頑張りますので、またご感想お待ちしてます😄 (12月19日 2時) (レス) id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
翠川(プロフ) - 初めまして、いつも楽しく拝見させて頂いてます……。国さんとの甘々イチャイチャやばすぎてドッキドキで授業中も頭の中にぐるぐる回ってました…＾＾💧永さん目当てで読み始めましたがどっぷりです……更新楽しみにしています…最高です………。 (12月19日 0時) (レス) id: 297b3e7991 (このIDを非表示/違反報告)
おぜち(プロフ) - いつもありがとうございます〜！😭まさに、昨日もM界隈の動画など見すぎて寝不足です。笑 永見さんターンも楽しみにお待ち頂けると嬉しいです☺️月見さんもお体お大事にされてください😄更新楽しみに待っててくださいね〜😆 (12月9日 1時) (レス) id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おぜち | 作成日時：2023年12月4日 23時
