虎のジャンパー ページ27
外はやっぱり結構寒い
熱気に包まれた部屋にいたからか
寒暖差をくらった体は正直で
ｽﾞｰｯ
国「んはっめちゃくちゃ寒そうやん」
盛大に鼻水を啜ったせいで、浮わついた気持ちは一瞬にして消え去った
あぁ…終わった
可愛げの欠片もないやん
恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆う
出会ってから一度も
国崎さんの前で、私は全くかわいく居れない
ぶさいくな寝顔を晒し、盛大に鼻水をすすり
女として魅力ゼロや、
と思ってたんやけど
国「最っ高やね、んふ、待って、おもろいって」
……国崎さんがずっと、けたけた笑ってるのだけが耳に入ってきて
塞いでた指の隙間を少し開けて、国崎さんの方を見ると
国「お！鼻水小僧のAちゃんと目が合いましたね」
「…はあもう最悪」
国「ぶふっ、」
明らかに肩を落とす私を見て、露骨にまた吹き出す国崎さん
笑い止んでくれそうにない。
…なんか、もう良いや
さっきまでの自分があほらしくなるくらい、想像以上に笑ってくれるから
思わずつられて、笑ってしまった
やー笑った、なんて言いながら
国崎さんは一歩近寄ってきて
国「ほい、中戻るまでね」
ふわっと掛けられたのは
胸の辺りに、かわいい虎が刺繍されてる黒のジャンパー
コートありきで選んだ薄手のワンピース姿だった私は
さすがに寒さを直に受けてたから
国「臭かったら破り捨てちゃって」
…間違ってもそんなことはしない
さっきまで着ていた国崎さんの体温が伝わってくると、それはそれはカイロみたいに温かかった
店の前にあったベンチに腰掛けた国崎さんが
隣の空いたスペースをぽんぽん叩きながらこちらを見るから
急いで、隣に座った
二人でベンチに腰掛けて、1分はきっと経ったとおもう
…国崎さんは、なにも言わない
耐えきれずちらっと隣を見ると
なにやら空を見上げてて
ちょっとだけ荒れてる肌に、お仕事お疲れ様です、と心で伝えた
国「Aちゃん」
じっと見つめていた国崎さんの横顔が
くるっとこちらを向くから
突然ばちっと合った目に、ふと我に返った
「は、はい！」
国「うむ、元気でよろしい」
国「今日どうやった？１日」
「い、１日？私の１日？」
国「そう、Aちゃんの１日」
ほら、やっぱり読めへん
国崎さんは、いつもジェットコースターみたいだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おぜち(プロフ) - まぽさん» 分かりにくくてすみません😣💦また楽しみにお待ち頂けますと嬉しいです😭宜しくお願いします☺️！ (12月6日 1時) (
レス) id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
まぽ(プロフ) - 早速のご返信ありがとうございます😭✨なるほど！了解です！楽しみしています😆 (12月6日 0時) (レス) id: 3194fe305d (このIDを非表示/違反報告)
おぜち(プロフ) - まぽさん» お立ち寄りありがとうございます！嬉しいお言葉まで…😭続編ですが、只今作成中ですので、少々お待ちください🙇急いで準備しています👍️ (12月6日 0時) (レス) id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
まぽ(プロフ) - はじめまして！国崎さんの雰囲気がとてもリアルに感じて読んでてとても楽しいです☺️続きが気になるのですが、パスワードを教えて頂くことは可能でしょう？ (12月6日 0時) (レス) @page48 id: 3194fe305d (このIDを非表示/違反報告)
おぜち(プロフ) - 月見。さん» いつもありがとうございます😭完結まで頑張りますので、宜しくお願いします☺️ (12月5日 11時) (レス) @page48 id: 2f56e244ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おぜち | 作成日時：2023年10月27日 18時
